研究課題/領域番号 |
22H00014
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
守川 知子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (00431297)
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研究分担者 |
岡 美穂子 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (30361653)
坂野 正則 上智大学, 文学部, 教授 (90613406)
島田 竜登 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80435106)
冨澤 かな 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80503862)
濱本 真実 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (00451782)
弘末 雅士 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (40208872)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,600千円 (直接経費: 32,000千円、間接経費: 9,600千円)
2024年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2023年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
2022年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | アイデンティティ / 近世 / 宗教 / 多元主義 / 地域大国 / グローバル・ヒストリー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近世期の国際商業都市に代表される「グローバル多元主義社会」と近世国家の採用した「地域大国主義」の相克の中で,改宗や移住を余儀なくされた個人と,宗教的に先鋭化する国家や社会とのせめぎ合いを解明し,とりわけ17世紀後半以降19世紀に至る近世社会の変容を問う。「宗教アイデンティティ」という新たな分析軸から,ユーラシア全域を俯瞰した新たなグローバル・ヒストリーの視座と,実証的に裏付けられた各地の近世像を統合した新たな近世史像の提示を目指すものである。
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研究実績の概要 |
初年度は、国家や現地の政権による人々への宗教の推進・容認・強制・排斥や、外来宗教への対応といった宗教政策を重点的に考察し、近世国家が宗教をどのように規定したのかという国家の宗教アイデンティティを明らかにすることを試みた。同時に、メンバー間で問題意識の共有をはかるため、毎月オンラインによる研究会を開催し、まず最初にメンバー7名全員がそれぞれ報告した(第1回・島田竜登、第2回・守川知子、第3回・坂野正則、第4回・冨澤かな、第5回・濱本真実、第6回・弘末雅士、第7回・岡美穂子)。その後、11月、2月、3月にはこの分野の専門家である4名の研究者(第8回:佐藤健太郎氏「17世紀チュニスの老人の回想:ハジャリーの語る地中海世界と自己像」・今松泰氏「オスマン朝における聖者信仰と聖者廟」、第9回・西川杉子氏「同胞・異邦人・「非国民」:近世イングランドのプロテスタント・インタナショナル」、第10回・神田千里氏「島原の乱にみる信仰の対立」)をゲストスピーカーとして招き、意見交換を行った。 さらに、分担者の島田が編集協力を務めた『岩波講座世界歴史11 構造化される世界 14~19世紀』(岩波書店、2022)に、島田が展望を執筆したほか、代表者の守川、分担者の岡および坂野が寄稿し、世界の緊密化と構造化が進む近世を論じた。また、島田が共編著者を務めた2巻本、Connecting the Indian Ocean World (Routledge 2023)および Merchants and Ports in the Indian Ocean World (Routledge 2024)が刊行され(前者には守川が寄稿)、近世インド洋海域世界の多元性を実証的に解明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の2022年度は、新型コロナウイルス感染症による海外渡航の制約が未だ認められたものの、開始当初の4月からオンラインベースで研究会を毎月開催し、メンバー間での理解を深めることができた。また、2年目に実施した国際学会でのパネル報告や国際研究集会のための準備期間を十分に設けることができることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
国際研究集会を開催するなどして、海外の研究協力者らとの意見交換を積極的に行っていく。
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