研究課題/領域番号 |
22H00032
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
阪本 公美子 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (60333134)
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研究分担者 |
株田 昌彦 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (50515971)
出羽 尚 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (00434069)
加藤 珠比 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 特任研究員 (10807704)
武藤 杏子 宇都宮大学, 国際学部, 研究員 (10886716)
槙野 佳奈子 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (40844808)
中村 真 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (50231478)
大森 玲子 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 教授 (70447259)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,990千円 (直接経費: 32,300千円、間接経費: 9,690千円)
2024年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2023年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2022年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | アフリカ / 食 / 野生食物 / 子ども / タンザニア / 東アフリカ / 栄養 / 絵 / 在来知 / 在来食 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、SDGsへの貢献が期待される時代にてアフリカの在来知が、どのようにSDG2飢餓削減、3健康に貢献しうるか、将来を担う子どもや母子に焦点を当て、明らかにする。具体的にはタンザニアの野生食物・在来食・食事パターンやSDGsへの貢献を栄養学の観点から検証するとともに、それらの意識について子どもたちの絵や心理学の観点から分析する。異なる植生における野生食物とその活用について図鑑も作成する。これらの成果を思想史の視座も加え地域固有性、条件にもとづく共通性、普遍性を明らかにし、アフリカにおける在来資源や在来知を活かしたSDGs達成の道筋を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、SDGsへの貢献が期待される時代にてアフリカの在来知がどのようにSDG2飢餓削減、3健康に貢献しうるか、将来を担う子どもに焦点を当て明らかにする。 今年度は、全容を把握した上で、対象地域・村として、ドドマ州5村、リンディ州4村、イリンガ州2村を選定。対象地域の小学生5~6年生を対象に、野生食物・食品群別摂取・健康評価に関するスワヒリ語質問票アンケート調査を2022年8~10月の乾期に実施し、907名の回答を回収。単純入力・チェックは終了し、現在最終チェックや野生動植物の同定を実施している。リンディ2村の結果については分析を開始し、5月に日本アフリカ学会、6月に国際開発学会にて発表を予定。各地域の国際研究協力者に雨季のアンケート調査実施を依頼し、リンディ州、ドドマ州からは回収し、リンディ州では入力作業を終了した。 イリンガ州では2022年8月現地調査にて野生食用植物の撮影・同定を行った。ドドマとリンディではこれまでの研究実績も活かし、Field Guide to Edible Plants and its Nutrition in Tanzania: Focusing on Dodoma and Lindiとしてとりまとめた。アンケートの野生食物の同定は、先行研究や過去の同定実績をもとに開始している。 子どもたちの絵は、同上のアンケートに含める形で、「野生食物・よく食べる食物・好きな食べ物・食事風景」いずれかを鉛筆で書いてもらい、ドドマ、リンディ、イリンガにて907名より回収した。ザンジバルでは15名程度の子どもたちに「よく食べる食物・好きな食べ物・食事風景」の絵を試行後、イリンガにて2グループに「野生食物・よく食べる食物・好きな食べ物・食事風景」、リンディでは、アンケートを実施した5小学校各2名の生徒に同様の絵を、色鉛筆で描いてもらった。現在これらの絵の分析を開始している。 本研究課題について、思想史・心理学の観点からの先行研究のレビューも開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
複数の手法を挙げた中、子どもに対するアンケート調査と絵に焦点を当ててすすめた。その結果、当初想定していた以上のアンケートを回収することができ、それらのアンケートの入力作業もほぼ終わり、現在分析も開始し、初期的分析の発表の目途も立っている。分析では、これまで成人を対象にしたアンケートと比較し、子どもが野生食物をより頻繁に摂取していることが明らかになった。この観点から、今年度、子どもに焦点を当てて調査をすすめたことの妥当性を確認した。 子どもの絵についても、アンケートを通して鉛筆によるものを量的に回収できたとともに、色鉛筆による少人数の絵も得ることができた。分析を開始したリンディの野生食物の絵からは、多くの子どもたちが、木全体を書いていることが多いことから、「切り身」ではなく「生身」として捉え、直接採取することによって身近に感じていることがわかった。ただ、種類によって差もあり、身近にある木かどうか、木の高さによって、描かれ方も異なっており、おかずとして家で出されるものについては、食事として描かれていた。食事の風景や食事の書き方から、アフリカ独特の画風も明らかになりつつある。上記の通り、はじめての試みである絵の回収が数・質ともに順調にすすみ、興味深い知見も期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
タンザニアでの海外調査結果をとりまとめ、代表者・分担者・研究協力者合計5名がタンザニアにて現地調査を実施。具体的には:1.活用されている野生食用植物などの在来資源を明らかにするために、リンディ、ドドマ、イリンガに関して補完的な調査をし、モロゴロにて調査開始を、参加型調査も含め検討。 2.主な野生食用植物の栄養価を明らかにするために、過去の調査実績を活かし野生食物の栄養価についてとりまとめ食用植物・栄養図鑑やポスターとして関係者と共有する。食用植物に関して先行研究を調査し、栄養分析の有無を確認する。新たな栄養分析は来年度以降とするが、土壌に関する先行研究を確認。 3.各対象地域の子どもの野生植物等の知識や利用状況、食品群別摂取・健康評価を明らかにするために、ドドマ、リンディ、イリンガで実施した乾季の小学校5~6年生を集計・分析・発表するともに、雨季のアンケート調査も回収し、モロゴロでも実施するかどうか検討。 4.住民の在来資源・在来知の活用例を掘り下げて明らかにするために、積極的に活用しているグループや個人に対して、その活動について聞き取り・観察調査を、モロゴロにて行う。 5.子どもたちの生活の中の在来資源に関するイメージを明らかにするために、リンディ、イリンガ、ザンジバル、ドドマで子どもたちの絵の分析を行う。これらの現地調査の結果を、芸術学・思想史・心理学の観点から考察する。研究成果の発表・フィードバック:日本アフリカ学会にて子どもの野生食物摂取の大人との対比や絵から読み取ることができる認識について、国際開発学会にて子どもの野生食物摂取と健康について発表・共有する。食生活の変容や大人の野生食物摂取と健康に関する分析については、図書として出版。Field Guide to Edible Plants and its Nutrition in Tanzania: Focusing on Dodoma and Lindiを印刷、関係者と共有・確認・修正・加筆。
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