研究課題/領域番号 |
22H00035
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
梅屋 潔 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80405894)
|
研究分担者 |
橋本 栄莉 立教大学, 文学部, 准教授 (00774770)
栗本 英世 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構本部, 大学共同利用機関等の部局等, 理事 (10192569)
慶田 勝彦 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (10195620)
石田 慎一郎 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (10506306)
波佐間 逸博 東洋大学, 社会学部, 教授 (20547997)
近藤 英俊 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (40351556)
松田 素二 総合地球環境学研究所, 研究部, 特任教授 (50173852)
田原 範子 四天王寺大学, 社会学部, 教授 (70310711)
久保 秀雄 京都産業大学, 法学部, 教授 (80378512)
浜本 満 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (40156419)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
41,860千円 (直接経費: 32,200千円、間接経費: 9,660千円)
2024年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2023年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2022年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
|
キーワード | 妖術 / 犯罪 / 司法判断 / アフリカ / 合理性 / 冤罪 / ラルシャイ・レポート / アングロサクソン法 / 大陸法 / フィールドワーク / データベース / アプリケーション / 日常生活 / 社会的影響 |
研究開始時の研究の概要 |
2050年には全世界人口の21.3%を占める勢いの急激な人口増加、急速なイノベーションの普及、メディア革命などアフリカ社会は新しい局面を迎えた。近年の猟奇的犯罪には妖術に関係するものがあり、社会問題となっている。本研究では、「妖術にどのような効き目があると考えられているのか」「なぜ他の手段でなく妖術でなければならないのか」という問いに答え、動機や抑止の要因を地域の文脈のなかで分析し、妖術関連犯罪抑制のためのモデルを考案しようとする。ともすれば伝統の残存と誤認されてきた妖術の観念と、普遍を指向する「近代」の代表格である近代法がいかに当該社会で「合理的」に絡み合っているのかを追究することになる。
|
研究実績の概要 |
本年度は、9月30日にベナンの事例をもとにメディアを介して人々の中で再生産する妖術信仰について議論したほか、次の成果があった。(1)法学的な研究も進んでいるケニアを中心とする国・地域では、妖術を理由に逮捕されたり、有罪判決を受けたりすることは「ありえない」との認識が示された一方、(2)すでにゲシーレの先行研究のあるカメルーンや南アフリカ(ラルシャイ・レポートで知られる)、ほかにもベナンなどでは、かなりの立件数があるという認識であり、大きく認識はずれている。ウガンダなどでも周縁部では、いくつか妖術犯罪の噂は確認されているが、実際に立件・逮捕されたかどうか、ということになると若干確認が必要である。(1)の考え方は、法解釈的には、日本と同じく「不能犯」であり、「妖術」で逮捕されることはない、という考え方である。「ウィッチ・ドクター」として逮捕されることはありうるという。(1)の地域に根差した認識で(2)の現象を解釈すると冤罪ということになりかねないが、極端な立場に立ち、強調すると自前の物差しで他者の文化現象を価値づけするというヴィクトリア時代の人類学の轍を踏んでしまうことになりかねないので注意が必要である。法律の条文はさほど違っていない。議論のなかでは、フランス的な大陸法の法解釈とイギリス的なアングロサクソン的法解釈の違いが反映している、との説も唱えられた。一部の説明は可能かもしれないが今後のさらなる検討が必要である。また、昨年度に比べるとフィールドワークに出た班員が多く、その収集した資料が今後この研究計画でどのように提出されるか期待させるに十分である。3月27日にケープタウン大学フランシス・B・ニャムンジョ研究室からでオンライン国際会議をホストした。そこでは、ニャムンジョ教授の真摯な協力態勢が改めて確認されただけでなくいくつかの重要な示唆を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症によるフィールドワークや国際シンポジウム実施などに関する障害が改善されてきたため。
|
今後の研究の推進方策 |
アウトカムとアウトプットを的確なものとして出すために、それらを出すための明確な方針と企画を提出・周知する。またフィールドワーク、海外での会合などは、現地での感覚が異なることも予想されるので十全な準備と事前の打ち合わせが必要とされることを心掛けたい。
|