研究課題/領域番号 |
22H00051
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分6:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
中西 久枝 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (40207832)
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研究分担者 |
岩倉 洸 龍谷大学, 社会学部, 助手 (00915853)
青木 健太 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (10769277)
KHALILI MOSTAFA 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 特定助教 (50977288)
末近 浩太 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70434701)
西川 由紀子 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (70584936)
今井 宏平 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 研究企画部, 海外研究員 (70727130)
鈴木 均 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター グローバル研究グループ, 上席主任研究員 (80414077)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
22,230千円 (直接経費: 17,100千円、間接経費: 5,130千円)
2024年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2023年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2022年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | トランスナショナル / 安全保障 / ユーラシア / 非通常戦 / ハイブリッド戦争 / 安全保障論 / 戦時と平時とグレーゾーン / イスラーム / 中東ユーラシア / 中東研究 / 安全保障学 / 平和 / サイバー行動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、9.11事件後、中東ユーラシア地域で頻発するハイブリッド戦争について、国内ガバナンス上の成立要因、対外関係上の成立要因、効果の3つの領域で研究する。軍事力では必ずしも優位でない国家あるいは非国家主体が、安全保障上の脅威だと認識する敵対国家や勢力の脆弱性をどのように認識し、この種の戦争を選択したのか、その成立要因を国内要因と対外関係にかかる要因に分けて分析し、新たな安全保障学を描く。
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研究実績の概要 |
初年度のため、先行研究の動向をレビューし、各役割分担に従って、予備的調査を実施した。中西は、ハイブリッド戦争のうち非通常戦の戦闘方法が既存の武力紛争法などの国際法上どのような課題があるのか、ユーラシアにおける無人戦闘機の使用の問題を整理した。また、アゼルバイジャンにて政策決定者及び実務家に対し2020年のカラバフ紛争後の周辺諸国との外交関係の変化及び紛争後社会の経済再開発政策について聞き取り調査を実施した。青木は、2000年代以降のアフガニスタン政治動向の整理、及び、タリバン声明類の解読を通じた統治方針の把握と同派の諸外国との越境的関係の分析を通じ、タリバンの政権奪取に向けた戦略の様態を検討した。岩倉は、2022年9月、2020年のナゴルノ・カラバフ紛争で実施されたハイブリッド戦争の種類とその展開について、アゼルバイジャンでの聞き取り調査を実施した。現地NGOをはじめとした紛争関係の施設を訪問し、図書館及び書店で資料を収集した。末近は、レバノンのヒズブッラーおよびイランの革命防衛隊のシリア紛争とパレスチナ問題への関わり方の変化について、計量的手法を用いた実証分析を行った。西川は、ハイブリッド戦争に関する先行研究のレビューを行った。ユーラシア、中東、アジア地域のハイブリッド戦争に地域的な特徴があるのかという視点から文献調査を行った。鈴木は、ウクライナ戦争後のユーラシアでの状況の文脈で、イランとロシア関係及ぼイランと雨いrか関係の現状について歴史的視点から分析した。本年度の国際会議は2回開催し、2022年11月には、ロンドン大学SOAASのアリー・アラヴィー氏によるイラン国境におけるソーシャルメディアと情報戦について、2023年3月にはラフマン・シャーフセインリ氏とADA大学のアナール・ヴァリエフ教授による黒海をめぐる地政学についての講演会である。いずれも盛況に開催できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者及ぼ分担者は各自の役割分担に従って、予備調査や先行研究のレビューを実施した。またその成果は、論文や著書として刊行している。ロシアのウクライナ戦争の影響で中東ユーラシアをめぐる情勢が劇的に変化したため、本課題の研究申請時とは異なる地域的な競争や対立・協調の構図が出現したが、コロナ禍の影響が薄れたため、海外調査を実施しやくすなり、海外研究協力者との連携が進んだ。2022年6月、11月、12月、3月には研究会を実施し、そのうち2回国際会議を兼ねて開催することができた。特に、ロンドン大学SOASのAli Alavi氏を22年11月に、ADA大学のAmin Valiyev教授らを2023年3月アゼルバイジャンから招聘し、研究交流が活性化した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、本格的な研究調査を実施する。今年度まで分担者であった鈴木均氏が、2023年3月末、アジア経済研究所を退職し、本課題には参画しない意向を示したため、研究分担者を新たに2名増やした。トルコの軍民関係とトルコの内政・外交の専門家である今井浩平氏と、イランをはじめとする周辺諸国との国境に居住する少数民族のローカルな紛争解決問題をテーマに研究しているモスタファ・カリリ氏の2名である。中西は、次年度、各研究分担者の事例研究を鳥瞰的に安全保障学の観点から総括していくことを視野に入れ、今年度に引き続き、非通常戦と通常戦の政治的、社会的な効果について理論研究を手掛ける。また、イランのハイブリッド戦略について分析する。青木は、文献調査、及び、パキスタンでの現地調査等を通じて、タリバンの対外政策方針を含む情報戦略、及び、アフガニスタンと近隣諸国との越境的課題について検討する。岩倉は、ナゴルノ・カラバフ紛争時の国家及び市民社会間でどのような紛争ナラティブが存在したのか、特に市民社会組織側の関係者への聞き取り調査を実施する。具体的には、紛争に関する行政・メディア・ネット資料の分析を行う。末近は、イランとサウジアラビアの域内大国間関係とレバノンのヒズブッラーの非国家主体としての紛争への関わり方について、定量・定性の両手法を用いて分析する。西川は、先行研究のレビューに基づきたてた仮説について、実務者および研究者からの聞き取りを英国にて行い検証していく。今井は、トルコの安全保障認識とセキュリティ戦略についてトルコ内外で研究活動を開始する。カリリは、イラン国内の少数民族のあいだの紛争防止及ぼ紛争緩和に関わるローカル・ナレッジを分析する。2023年度中の英文による共著の出版を目指し、艇的な研究会を実施する。
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