研究課題/領域番号 |
22H00073
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
伊藤 嘉余子 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 教授 (10389702)
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研究分担者 |
野口 啓示 福山市立大学, 教育学部, 教授 (20804470)
石田 慎二 帝塚山大学, 教育学部, 教授 (30342265)
姜 民護 同志社大学, 社会学部, 助教 (60802254)
千賀 則史 日本福祉大学, 教育・心理学部, 准教授 (70803782)
石田 賀奈子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (50551850)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
28,990千円 (直接経費: 22,300千円、間接経費: 6,690千円)
2024年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2023年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 社会的養護 / 里親支援 / 国際比較 / 代替的養育 / 家庭的養護 / 代替養護 / 施設養護 / 里親養育 / 家庭(的)養護 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本がこれまでの社会的養護制度改革において参考にすべき国における社会的養護に関する法制度等マクロレベルの現状について精査した上で、ミクロレベルではどのような課題や効果が表出しているかについて明らかにすることを目的とする。そのために、5か国(日本・アメリカ・韓国・ニュージーランド・英国)の社会的養護施策と現状に関する文献研究および現地調査を実施する。現地調査の対象は、自治体SWer、里親支援機関ワーカー、里親、施設職員を予定。調査結果を踏まえ、改めて日本の社会的養護の現状分析と必要な改善点を抽出するとともに、日本が目指すべき社会的養護のあり方についてマクロ・ミクロの両面から検証する。
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研究実績の概要 |
研究1年目である2022年度は、5ヶ国(アメリカ、ニュージーランド、英国、韓国、日本)の社会的養護の現状に関する全体像と現状と課題を把握することを目的として文献研究とデータ収集を行った。その結果をマトリクスの形にまとめた。「里親委託率高群」であるアメリカやニュージーランドでは、親族里親(kinship foster care)が主流であり、養育里親が9割以上を占める日本とは大きく状況が異なること、児童養護施設など施設養護がほとんどないこと等が明らかになった。また養子縁組の多さはアメリカの特徴であった。ニュージーランドは原住民族であるマオリ族の文化を尊重した家族支援のあり方が里親中心の代替養育にも影響を及ぼしていることが示唆された。「里親委託率中群」の英国では、原則10歳未満は里親委託という指針があるものの、近年は9歳以下の施設入所が増加傾向にあること、1回の里親委託の期間が半年~1年の事例が半分以上であること等が明らかになった。「里親委託率低群」である韓国では、里親希望者が少ないことや里親手当等の里親に対する経済的支援の少なさが特徴的であった。日本は、児童人口に占める社会的養護を利用する子どもの割合が少ないことが特徴的である。在宅支援を重視しているのか、必要な保護やソーシャルワークが実態に追いついていないのかについては、さらなる検証・分析が必要である。また、日本では一時保護の期間が原則2か月であるが、これは他国と比べて短く(例えば英国は6か月)、少ない児童福祉司で、かつ短期間で適切なアセスメントやマッチングが可能なのかという点から、日本の要保護児童の発見・保護・措置のあり方について議論・検討の余地があるのではないかと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1年目である2022年度は、文献研究とデータ収集を中心に行い、研究対象として設定した5か国における社会的養護の全体像や現状と課題を概ね把握することができ、それをマトリクスにまとめることができた。また、研究2年目の現地調査に向けて、各国に在住する現地の研究協力者を複数開拓し、関係やネットワークを構築することに成功し、1年目はオンラインでの打ち合わせを重ねてきた。そのため、2023年度にはスムーズに現地調査に取り組むことができると期待される。具体的には、まずスコットランドには2022年3月に渡航し、現地で児童養護施設や里親支援機関を運営する社会福祉法人Kibbleを訪問し、年少児に対する施設養護の有効性について共同研究の形で調査を進める打ち合わせを行うことができた。アメリカには2023年11月の渡航を目指して、現地の調査協力者2名とのオンラインミーティングを定期的に重ねている。ニュージーランドについては、日本人でニュージーランド在住の研究協力者とのネットワークを基盤とした調査計画を策定中である。韓国については、韓国出身で現在日本在住の研究者や留学生を中心に現地調査計画を立てている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度以降は、1年目に作った「5か国の社会的養護の全体像マトリクス」をベースとしながら、それぞれの国の社会的養護の実態が、国連の「子どもの代替養育に関するガイドライン」と照らし合わせて、合致している内容/合致していない内容の検証をしながら、各国の社会的養護の特徴や強み・課題等について分析する。文献や資料、データだけでは十分に実態や課題等を把握できない内容を事前に抽出し、その部分について詳細に聴取できる質問項目を作成して現地調査に臨む。 現地調査は、アメリカ11月、韓国・ニュージーランド・英国は3月を予定している。 また、9月に英国スコットランド(エディンバラ)で開催されるISPCAN(国際子ども虐待防止学会)にて、研究成果の一部を報告予定である。 さらに、日本においては、全国のフォスタリング機関(里親支援機関)を対象としたアンケート調査を実施する。2023年4月から施行されたこども基本法や改正児童福祉法の内容を踏まえ、各フォスタリング機関が直面している里親支援の課題や今後の展望等について明らかにしたうえで、あるべき里親支援や社会的養育のあり方について一定の提言を行いたいと考えている。
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