研究課題/領域番号 |
22H00077
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
森 雅生 東京工業大学, 企画本部, 教授 (20284549)
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研究分担者 |
近藤 伸彦 東京都立大学, 大学教育センター, 准教授 (10534612)
今井 匠太朗 東京工業大学, 企画本部, マネジメント准教授 (20749709)
井芹 俊太郎 神田外語大学, 教育イノベーション研究センター, 講師 (20909155)
大石 哲也 九州工業大学, 学習教育センター, 教授 (30552236)
松本 清 東京工業大学, 企画本部, マネジメント准教授 (30709150)
杉原 亨 淑徳大学, その他部局等, 准教授 (40725488)
石井 雅章 神田外語大学, グローバル・リベラルアーツ学部, 教授 (70433646)
高松 邦彦 東京工業大学, 企画本部, マネジメント教授 (80392017)
松田 岳士 東京都立大学, 大学教育センター, 教授 (90406835)
姉川 恭子 北九州市立大学, 経済学部, 准教授 (00749096)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,860千円 (直接経費: 32,200千円、間接経費: 9,660千円)
2024年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2023年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2022年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | インスティテューショナル・リサーチ / 高等教育論 / オントロジー工学 / データウェアハウス / 高等教育 / 圏論 |
研究開始時の研究の概要 |
高等教育機関を運営していく上で欠かせないものとなりつつあるインスティテューショナル・リサーチ活動を学術性について着目し、これに従事する者を育成するために学問領域としての基盤を確立することが本研究の概要である。代表者・分担者はこの目的を成すために、①IRを学術的に体系化するためのオントロジの確立、②IRに従事するために必要なスキルセットと育成プログラムの実装、③IRを有効に機能させるための情報基盤・認証基盤など情報技術の確立、の3要素に着目して、この見地からのIR人材育成カリキュラムとIR学術活動の基盤を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究課題は三班に分かれて研究を進めている。各班ごとに研究実績の概要を記す。 (第一班:IRオントロジー研究班)この班は「学問としてのIR」に着目し、IRを学術的に体系化する活動の一環として、アカデミックオントロジーの構築に向けた調査を行った。学術文献・実務文献・IR担当者が抱く人材像の3方向から調査して、IRがどのような学問分野をカバーしているかを検討した。特に海外の学術文献をとりあげて、英語圏のIRが日本のIRよりも広い分野を対象としていることとその理由を調査した。 (第二班:IRスキルセット研究班)IRの人材育成機会は、国内の履修証明プログラム、海外の育成コース、国内で開催される短期研修の3つに大別できるが、あさがおMLのアーカイブデータを用いて、IR人材養成のための短期研修の実態を整理した。その結果、2014年度以降の短期研修の増加や、主催・共催機関の変化、開催地の偏りとオンライン化、グループワーク・演習を伴う研修の少なさなどが分かった。また、我が国のIR担当者が必要と考える知識・スキルを尋ねた質問紙調査を行った。 (第三班:情報流通基盤研究班)業務データベースからデータウェアハウスを構成するとき、所望するデータウェアハウスのテーブルの一意性制約などの整合性制約をどう担保するかというのはよく知られた問題である。また、データウェアハウスの多次元モデルが元のデータベースを正しく反映しているかを判別する方法については、まだわかっていないことが多かったが、圏論的データベース理論を活用した検証法がこの問題に有効であることが文献調査により判明したため、IRのデータウェアハウスへの適用可能性について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は三班に分かれて研究を進めている。各班ごとに進捗状況を記す。 (第一班:IRオントロジー研究班)概ね計画通りに進捗している。ここで行った文献調査をもとに、IRを構成する概念を大分類(7種)および小分類(47種)に整理し、概念と学問分野の対応を示した。さらにこれらの分類を、IRを構成する主な概念と捉え、オントロジー工学を用いて概念間の関係性を明示的に表現するという発想に至った。 (第二班:IRスキルセット研究班)当初の計画以上に進捗している。当初の予定では2023年度にアンケート調査を実施し、2022年度はその準備を行う予定であったが、スケジュールを前倒しして2022年度中にアンケート調査まで完了することができた。 (第三班:情報流通基盤研究班)概ね計画通りに進捗している。当初、オントロジー工学におけるオントロジーを使って、データウェアハウスの研究を進めていたが、これよりも圏論的データベース理論を基礎とすることにし、一般的な圏論およびこのデータベース理論との文献調査を行った。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は三班に分かれて研究を進めている。各班ごとに今後の推進方策を記す。 (第一班:IRオントロジー研究班)次年度は今年度にえられたIRを構成する概念と学問分野の対応をふまえて、オントロジー工学を活用して、概念間の関係性と全体を把握するための可視化を試みる。そのため、さらに日本国内のIRに関する学術文献、および実務文献の調査を行う予定である。 (第二班:IRスキルセット研究班)2023年度は、IR研修の実態調査から得られた知見を活かしながら、効果的な短期研修プログラムのデザインについて検討する。また、IR担当者への質問紙調査で得られた282件の回答データの分析を進め、我が国のIR担当者に求められる知識・スキルの全体像を明らかにする。 (第三班:情報流通基盤研究班)圏論的データベース理論の基本的な部分の文献調査を終えたので、実際にIR実務で用いているデータベースの具体的な仕様を使って、データベースからデータウェアハウスのマイグレーション(データ移送)の方法について検討する。
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