研究課題/領域番号 |
22H00094
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分11:代数学、幾何学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
齋藤 政彦 神戸学院大学, 経営学部, 教授 (80183044)
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研究分担者 |
山田 泰彦 神戸大学, 理学研究科, 教授 (00202383)
岩木 耕平 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (00750598)
望月 拓郎 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10315971)
吉岡 康太 神戸大学, 理学研究科, 教授 (40274047)
Rossman W.F 神戸大学, 理学研究科, 教授 (50284485)
稲場 道明 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (80359934)
大仁田 義裕 大阪公立大学, 数学研究所, 特別研究員 (90183764)
光明 新 兵庫県立大学, 理学研究科, 准教授 (90760976)
細野 忍 学習院大学, 理学部, 教授 (60212198)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,340千円 (直接経費: 31,800千円、間接経費: 9,540千円)
2024年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2023年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2022年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 可積分系 / モジュライ空間 / モノドロミー保存変形 / パンルヴェ方程式 / 漸近展開 |
研究開始時の研究の概要 |
代数曲線上の放物接続のモジュライ理論とリーマン・ヒルベルト対応の幾何学により、モノドロミー保存変形の微分方程式がパンルヴェ性を持つことが示されたが、このタイプのパンルヴェ型方程式の解やそのτ-関数について、漸近展開、WKB解析をh-接続のモジュライ理論により理解し,Eynard-Orantanの位相的漸化式の理論や, モノドロミー保存τ-関数の漸近展開と共形場の理論の関係を明確に定式化する. また,代数曲線上の接続や代数曲面のベクトル束などのモジュライ空間の対称性や、その上のフーリエ・向井変換などの基礎的研究により、幾何学的ラングランズ対応や、パンルヴェ型方程式の対称性の研究を行う.
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研究実績の概要 |
モノドロミー保存変形と漸近展開の幾何学については、稲場が非特異射影曲線上の一般的な分岐不確定特異点をもつ放物接続について、モジュライ空間を非特異代数多様体として構成し、代数的シンプレクテック構造を持つことを示し、モノドロミー保存変形に対応する可積分系を導入した。これにより、代数曲線上の放物接続のモジュライ空間を相空間とするモノドロミー保存変形から得られる可積分系の基礎付けはほぼ完成した。齋藤、光明、Loray、Szaboが見かけの特異点理論を用いたモジュライ空間の標準座標の共同研究を継続して、放物接続の階数が2の場合にはほぼ十分な記述を得ている。高階の場合についても研究は進捗している。放物接続のモジュライ空間の幾何学においては、放物ベクトル束のモジュライスタックの構造の研究も重要であるが、齋藤、光明、Lorayが階数2の不確定特異点を持つ場合に詳しい解析を行ない、また放物接続からの像を特徴づけた。今後は 幾何学的ラングランズ対応への応用が期待される。岩木は、完全WKB解析と位相漸化式、およびパンルヴェ方程式に関する研究において、パンルヴェ方程式のτ関数の漸近展開と正則アノーマリー方程式に関係性に関する成果を得た。野海は、楕円関数を係数とする線形差分作用素の可積分系と同時固有函数に関する研究を継続して行い、楕円Ruijesnaars 系 (A型)、変形楕円 Ruijsenaars 系、楕円 van Diejen 系 (BC 型)について成果を得た。吉岡は、ピカール数1のK3曲面上の安定層のモジュライ空間について、フーリエ・向井変換の依存性について調べた。Rossmanは、離散化された曲面と可積分系に関する研究を進めた。フランス・ストラスブールでの研究集会や隔週のWebセミナーでパンルヴェ方程式に関する国際研究交流を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
稲場の上記の成果は、2つの論文において発表された。齋藤、光明、Loray、Szaboは見かけの特異点理論を用いたモジュライ空間の標準座標の共同研究を継続しているが、放物接続の階数が2の場合にはほぼ十分な記述を得ており、論文を準備中である。 高階の場合についても研究は進捗している。放物接続のモジュライ空間の幾何学においては、放物ベクトル束のモジュライスタックの構造の研究も重要であるが、齋藤、光明、Lorayが階数2の不確定特異点を持つ場合に詳しい解析を行ない、また放物接続からの像を特徴づけ、論文を出版した。岩木は、完全WKB解析と位相漸化式、およびパンルヴェ方程式に関する研究において、パンルヴェ方程式のτ関数の漸近展開と正則アノーマリー方程式に関係性に関する成果を得た。関連する研究成果を学術論文において発表している。野海は、楕円関数を係数とする線形差分作用素の可積分系と同時固有函数に関する研究を継続して行い、楕円Ruijesnaars 系 (A型)、変形楕円 Ruijsenaars 系、楕円 van Diejen 系 (BC 型)について論文を出版している。吉岡は、ピカール数1のK3曲面上の安定層のモジュライ空間について、フーリエ・向井変換の依存性についての論文を出版した。Rossmanは、離散化された曲面と可積分系に関する研究を進め、論文を出版している。フランス・ストラスブールでの研究集会での研究発表や隔週のWebセミナーでパンルヴェ方程式に関する国際研究交流を行った。また、齋藤、稲場、Biswas,大仁田は第13回のMSJ-SI「Differential geometry and Integrable Systems」においても研究発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度に京都大学数理解析研究所で予定されている訪問滞在型研究プロジェクト「可積分系・数理物理学の関わる代数幾何学の発展」において、位相的漸化式、量子曲線、ミラー対称性、カラビ・ヤウ多様体、放物接続・Higgs束のモジュライ空間とリーマン・ヒルベルト対応、パンルヴェ方程式とそのτ関数について研究集会およびワークショップを開催する予定である。これに向けて、国内および国外の研究者と連携し準備を行う。特に、放物接続のモジュライ空間の見かけの特異点による標準座標の理論を完成させ、位相的漸化式、量子曲線、τ関数の理論との関連を研究するために、国内外においてワークショップや対面での研究連絡を行う。Webによるパンルヴェセミナーを継続し、最新の研究成果を共有する体制を構築する。
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