研究課題/領域番号 |
22H00098
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分12:解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉本 充 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (60196756)
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研究分担者 |
高橋 太 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (10374901)
BEZ NEAL 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30729843)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
38,740千円 (直接経費: 29,800千円、間接経費: 8,940千円)
2024年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2023年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2022年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | 函数不等式 / 最良定数 / 関数不等式 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,様々な函数不等式に対する最良定数と最良を達成する函数を決定する問題に対して,変分法・調和解析・表現論の手法を用いて多角的にアプローチし,偏微分方程式論も援用することによって,それらが定める基底状態としての諸相を突き止め,さらにはこれら異なる函数不等式の基底状態どうしの関連性にまで掘り下げて探究していくことにより,それらをより普遍的な法則として統一的に理解していくことを目指すものである.
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研究実績の概要 |
本研究は,様々な函数不等式に対する最良定数と最良を達成する函数を決定する問題に対して,変分法・調和解析・表現論の手法を用いて多角的にアプローチし,偏微分方程式論も援用することによって,それらが定める基底状態としての諸相を突き止め,さらにはこれら異なる函数不等式の基底状態どうしの関連性にまで掘り下げて探究していくことにより,それらをより普遍的な法則として統一的に理解していくことを目指すものである.その目的のため,個々の函数不等式に対する理解をそれぞれ掘り下げていく「フェーズ I:函数不等式が定める基底状態の探究」と,それらの成果を互いに関連付けることにより普遍的な法則を読みとることを目指す「フェーズ II:基底状態の諸相を支配する普遍的法則の探究」の 2つのフェーズプランの形態で研究を進めていくが,今年度は,前年度から継続中のものも含めて 1. 波動方程式のLp-評価 2. 分散型方程式の時空間評価 の二つの課題に対して取り組んだ.課題1は,多様体上などの一般的な状況における波動方程式の初期値問題の基本解に対するLp-評価を導出する方法論の構築を試みるものである.昨年度はフェーズIIの一環としてシュレディンガー方程式に対する関連結果から導出する方法を試みていたが,本年度はこれと波動方程式の特質を考慮にいれたフェーズIに分類される方法論も試行した.この課題に関してはまだまだ未完成の状況であり,今後も継続して研究していく予定である.課題2はシュレディンガー方程式に関する既存の双線形Strichartz 評価式の一般化を目指すもで,フェーズIの研究として分類されるものである.既に所定の結果には到達しており,今後は応用も含めた更なる進展を目指したい.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題1の波動方程式のLp-評価に関しては,これまでの研究により波動方程式の基本解とシュレディンガー方程式の基本解をスペクトル論的に結びつける等式にまで到達していたが,本年度はさらにここから波動現象を支配している因子を抽出することに成功しており,今後の進展へと繋がる成果と考えている.課題2における成果であるシュレディンガー方程式に関する双線形Strichartz 評価式は,小沢・堤による既存の結果を拡張するものであり,さらに近年のBez氏らによる熱流法を用いた結果から導出される評価式の拡張にも相当している.この評価式は非線形問題への応用を持つものであり,この方面での新しい展開が期待される.
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今後の研究の推進方策 |
上記課題1は本研究課題の開始以来フェーズIIの研究の一環として取り組んできたが,並行してフェーズIでの研究と捉えなおすことにより新しいアプローチを試みていく.一方課題2はフェーズIでの研究として遂行中であるが,これまでの成果は熱流法を用いた方法論によってもある程度説明されることがわかっている.この熱流法はフェーズIIでの研究手法の柱であることから,このことを手掛かりに他の方程式の場合の双線形評価式との関連も模索していきたい.また,これらの研究には多角的な視点が必要である,次年度以降も引き続き国際研究集会などを積極的に開催すことにより,様々な研究者との研究討論の機会を創生していきたい.
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