研究課題/領域番号 |
22H00148
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
国分 紀秀 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (50334248)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
43,940千円 (直接経費: 33,800千円、間接経費: 10,140千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2022年度: 28,860千円 (直接経費: 22,200千円、間接経費: 6,660千円)
|
キーワード | 光格子時計 / 気球実験 / 国際宇宙ステーション / 人工衛星 / 一般相対性理論 / 高精度周波数比較 / 衛星測位 / 大気球 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の最終的な目標は、標準理論を超えた物理学の開拓を目指して、一般相対論の精密検証・暗黒物質探査などに関する基礎物理学実験を衛星軌道上の微小重力環境下で実施することである。そのため、従来の原子時計より3桁も高い精度を実現する光格子時計を用いて、最新の地上実験用モデルをベースに宇宙機搭載用に必要な改良を行い、国際宇宙ステーション(ISS)への搭載を目指した実証機を開発する。光格子時計の宇宙応用は、巨大科学とは異なるアプローチで基礎物理学を切り拓くための極めて有力な手段であると同時に、学術的な分野を超えて実社会にまで影響を与えるような大きなインパクトをもたらすことが期待される。
|
研究実績の概要 |
本研究の最終的な目標は、標準理論を超えた物理学の開拓を目指して、従来の原子時計より3 桁も高い性能を実現する光格子時計を用いて一般相対論の精密検証・暗黒物質探査などに関する基礎物理学実験を衛星軌道上で実施することである。その最初のステップとして国際宇宙ステーション(ISS) への搭載を想定した実証機の開発を進める。 本年度は、地上での社会実装に向けて開発されている最新の光格子時計の詳細を把握しつつ、それを宇宙応用するにあたって特に必要となる技術要素に絞った開発を進めた。具体的には、ISS搭載に向けた開発ステップとなる実証試験として大気球を用いた高度数10kmでの周波数比較実験を目指し、数年かけて段階的に放球機会を獲得して実証度を高めていく構想を立案した上で、その最初のステップとなる気球の高精度追尾技術に向けた高精度衛星測位の実証実験を相乗り型の大気球実験にて実施し、回収した測定データを解析することで高度25kmにおいても数cm程度の相対精度が得られることを実証した。 並行して、地上と衛星間でレーザー光を自由空間伝送させつつ高精度に周波数比較を行うために必要となる技術について、実際にモード同期ファイバーレーザーを組み立てて自己参照型のファイバー光学系を構築することで、フェムト秒スケールで超高速にパルスの到来時間差を検出する部分の実証試験を先行的に実施し、自由空間伝送系を用いた実証試験のテストベッドを構築した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ISS搭載および宇宙応用に向けた開発ステップである大気球実験による実証実験の第一段階を行い、気球高度における高精度衛星測位の成立性を実証した。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、ISS搭載を目指した実証機の検討を進めつつ、気球実験実施に必要となる技術要素の開発を行う。具体的には高精度衛星測位結果をもとにした小型気球の追尾実験を提案して採択されたため、搭載機器および地上からレーザー光を追尾照射する装置の開発を進める。
|