研究課題/領域番号 |
22H00203
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石黒 章夫 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (90232280)
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研究分担者 |
福原 洸 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (10827611)
佐藤 たまき 神奈川大学, 理学部, 教授 (90466912)
鈴木 朱羅 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (80968222)
加納 剛史 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (80513069)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
42,120千円 (直接経費: 32,400千円、間接経費: 9,720千円)
2024年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
2023年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2022年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
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キーワード | 運動様式復元 / 古生物 / ロコモーション / 首長竜 / 制御原理 / 運動制御 / 遊泳 |
研究開始時の研究の概要 |
現生動物であれ古生物であれ,いかなる時代の動物も,生存のために環境や身体特性に呼応した運動様式を即時適応的に生成することが要請されるはずである.そこで本研究では,現生脊椎動物に内在する,身体に遍在する多数の運動自由度を協調させ,合理的な運動様式を即時適応的に生成する普遍的な制御原理の本質を紐解くことを突破口として,絶滅脊椎動物の動きを優れた説明能力を持って復元しうる革新的な方法論の構築を目指す.
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研究実績の概要 |
(1) 前後ヒレ間協調制御のありように関する考察: これまでは,首長竜ロボットの胴体を水槽に固定した状況下で,前後ヒレ間の協調がどうあるべきかを考察してきた.しかしながらこのような状況下では,前ヒレの羽ばたきが生み出した渦を後ろヒレがどう活用して効率的な推進力を生み出すかという問題に集約してしまう.換言すれば,前後ヒレ間の力学的相互作用は,前ヒレから後ろヒレへの一方向でしかないことに気がついた.現実の首長竜は,水中で胴体が固定されているわけではないので,後ろヒレの羽ばたきによって反作用のために胴体が回転し,その結果前ヒレの動きに影響を与えていたはずである.すなわち,実際の首長竜では前後ヒレ間に働く力学的相互作用は双方向的であったのである.そこで,胴体を水槽に固定するのではなく,回転ジョイントを介して固定するプラットフォームの設計を行った.本年度は,マンチェスター大学の古生物学者であるBill Sellers教授と議論した結果を参考にして,そのプロトタイプを作成した. (2) 大型回流水槽の設計・製作: これまでに用いてきた回流水槽は小型で,検証できる首長竜ロボットのサイズに大きな制約があった.そこで今後の研究の展開を見据え,縦と横のサイズを約2倍とした大型回流水槽の製作を開始した. (3) 前後ヒレ間,ならびにヒレ内協調制御則に関する考察: 本年度は,今後首長竜ロボットに実装するヒレ間ならびにヒレ内協調制御則に関して再考察を行った.具体的には,申請者らが最近提唱している「手応え」という概念に基づき,これらの協調制御則の数理モデリングを試みた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
胴体を水槽に固定した状況では,前ヒレから後ろヒレへの一方向の力学的相互作用になってしまうことに気づいたのは大きな収穫であった.これまでの先行研究はすべて胴体が水槽に固定された状況下で実験を行っているために,得られた運動様式復元の結果は現実の首長竜のそれとは大きく乖離している可能性がある.これにより,本研究を通して得られる首長竜の遊泳様式の復元結果は世界で初めての試みであり,新しい知見をもたらすとの確信を得るに至った.
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今後の研究の推進方策 |
第一に,胴体を介して前後ヒレ間の双方向力学的相互作用を活用可能な首長竜ロボットプラットフォームの構築を加速させる.そして,そのプラットフォームを用いて前後ヒレ間の協調様式が,胴体が固定された場合とどのように異なるのかを実験的に検証する.第二に,大型回流水槽の完成を急ぐ.第三に,ヒレ間ならびにヒレ内協調制御則のありように関しても引き続き考察を進める.第四に,分担者の佐藤をはじめとする古生物学者と定期的にミーティングを開催し,得られた運動様式の妥当性を古生物学的な視座からも検証する.
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