研究課題/領域番号 |
22H00218
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
高尾 英邦 香川大学, 創造工学部, 教授 (40314091)
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研究分担者 |
前田 祐作 香川高等専門学校, 機械工学科, 講師 (00803404)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
39,650千円 (直接経費: 30,500千円、間接経費: 9,150千円)
2024年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
2023年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2022年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 触覚センサ / 有毛皮膚 / 質感知覚 / 質感認識 / MEMS / 感覚毛センサ / 触覚 / シリコン |
研究開始時の研究の概要 |
人類の皮膚は「感覚毛」を持つ有毛皮膚がその大半を占めており,猫やネズミは髭で周囲の世界を直接認識する。本研究では,感覚毛が持つ能力を,単結晶シリコンの精緻な微細加工と集積化技術で「シリコン感覚毛」デバイスに実現する。目標とする感度と性能を達成することで,生物が持つ感覚毛の多様な知覚力が再現される。さらに,微細プローブ構造を触覚センサに用いることで,我々が知覚・分析可能な「触覚の世界」を微小・狭窄領域にまで拡張することが可能である。超高性能感覚毛デバイスの実現によって,従来は不可能であった様々な応用・知覚の対象分野に触覚技術を適用可能とする新しいセンシング技術を開拓する。
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研究実績の概要 |
本課題のデバイスは「毛包」よりも1桁以上高精度な領域を性能目標としている。超高感度触覚に毛状構造を一体形成することにより,生物の「感覚毛」を凌駕する世界最高感度の集積化シリコン感覚毛を実現する。これにより,従来不可能であった「微小・狭窄領域での質感知覚と認識」が可能となる新しい計測技術が実現する。開始初年度においては,超高感度触覚に毛状構造を一体形成することにより,生物の「感覚毛」を凌駕する世界最高感度の集積化シリコン感覚毛の実現を目指して研究を実施した。従来不可能であった微小・狭窄領域での質感知覚と認識が可能となる集積化シリコン感覚毛デバイスを実現すべく,計画1の内容に従って研究を実施した。その結果,当初の計画に沿いつつ,十分な研究成果を得ることができた。 計画1-1 集積化シリコン感覚毛のデバイス実現と評価 同一の単結晶シリコン層を用い,針状のプローブ構造と高感度多軸力覚チップを一体化する集積化シリコン感覚毛デバイスを設計・製作し,実装技術によってパッケージングした。計測する研究対象に合わせて,プローブ部分の構造を最適化し,それぞれ設計通りのデバイスを製作できた。 計画1-2 集積化シリコン感覚毛を用いた微小・狭窄領域における触覚検知の実証 製作した感覚毛デバイスの基本特性を評価し,設計通りの感度性能や分解能が得られた。剛性の高い金属材料からエラストマーなどの粘弾性体を含めて,様々な対象表面の触覚計測実験を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
開始初年度の計画は下記の項目を実施することである。 計画1.微小・狭窄領域へアクセス可能な集積化シリコン感覚毛の開発と実証 計画1-1 集積化シリコン感覚毛のデバイス実現と評価 計画1-2 集積化シリコン感覚毛を用いた微小・狭窄領域における触覚検知の実証 上記計画1-1ならびに計画1-2の内容について,当初より目指す性能や機能を実現できるデバイスの製作と評価を実施することができた。また,これらの計画は複数年計画であり,初年度として十分な進捗と進展が得られたといえる。よって,目標到達は次年度以降となるが,おおむね研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は引きつづき計画1-1 集積化シリコン感覚毛のデバイス実現と評価と計画1-2 集積化シリコン感覚毛を用いた微小・狭窄領域における触覚検知の実証を推進し,改良試作を重ねることで,当初目的とした性能を具現化する集積化シリコン感覚毛を実現する。 また,深さ方向における質感検知を目指した新機能を有する集積化シリコン感覚毛を開発し,分析対象の拡張に向けて計画2.1を推進してゆく。
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