研究課題/領域番号 |
22H00233
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
平賀 あまな 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (90436270)
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研究分担者 |
斎藤 英俊 京都女子大学, 生活デザイン研究所, 研究教授 (30271589)
白木 ひかる 京都女子大学, その他, その他 (30868154)
矢野 賀一 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 室長 (60392544)
西川 英佑 関西大学, 環境都市工学部, 助教 (60964806)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
31,850千円 (直接経費: 24,500千円、間接経費: 7,350千円)
2024年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 宮内省内匠寮 / 片山東熊 / 旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮) / 表慶館 / 旧帝国博物館 |
研究開始時の研究の概要 |
宮内省内匠寮は明治18年に設置された組織である。明治中期以降は片山東熊をはじめとした近代的教育を受けた日本人建築家が中心となり、旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)、表慶館、旧帝国京都・奈良博物館本館、などの多くの重要な建設事業に携わってきた。本研究は宮内公文書館や各博物館の公開した新史料の分析により、明治日本が西洋の風土で培われた近代建築の基礎をいかに習得したかについて、新技術・新材料の導入、施工体制の構築に注目し、宮内省内匠寮が果たした役割を明らかにするものである。分析と同時に史料の目録作成とデジタル化を行い、膨大な設計史料の高度利用化を実現し、多くの研究者の利用に資することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、旧東宮御所、表慶館、旧帝国京都博物館本館、旧帝国奈良博物館本館を中心に、宮内省内匠寮が関わった活動全体を研究対象とし、建築図面、設計図書等の史料の分析と実際の建物の調査により、(1)近代建築への橋渡しとなった構造・設備の新技術の導入と開発、(2)近代建築デザインに影響を及ぼした新材料の利用と工夫、(3)建築施工の近代化の萌芽となる制度・体制の構築、に注目して詳細に分析し、内匠寮の建設事業を評価し、日本近代建築発展に果たした役割を明らかにするものである。第1年度である本年度は、(1)については、耐震性を考慮した鉄骨補強煉瓦造の構造設計を、(2)については、花崗岩を中心とした石材の調達と加工技術を、(3)については、設計、発注・契約、現場管理、直営・請負、技術者・職人の養成などを主に分析した。史料の高度利用化に向けての作業としては、宮内庁宮内公文書館、各国立博物館所蔵史料のうち、特に下記の史料についての分析を行った。 ①宮内庁宮内公文書館所蔵の旧東宮御所設計史料である、『東宮御所工事録(仕様書)』のデータ化と目録の作成、『東宮御所事務提要』内容のデジタル化と分析②宮内庁宮内公文書館所蔵の旧帝国奈良博物館、旧帝国京都博物館の設計史料である『京都及奈良博物館建築工事録』の内容のデジタル化と分析③東京国立博物館所蔵の表慶館図面について、図面数の特定。 現地調査としては、国内旅費を用いて、明治期の花崗岩産地についての調査を行ったほか、日銀京都支店等の同時期の建築について現地調査を行い、宮内省による建物との材料・施工技術の比較のための資料を収集した。 対面、zoomにおいて、明治期の近代建築への橋渡しとなった構造・設備の新技術の導入と開発についての研究会を開催した。これらの研究成果について、日本建築家協会建築交流部会主催の「近代洋風建築研究会」において2度発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に予定していた関西での調査が延期されたため、繰り越し申請をして2023年度に実施した。
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今後の研究の推進方策 |
研究史料のデジタル化とその分析について、研究計画に従い実施する。現地調査については、調査先との調整を早目に行い、実現可能な調査箇所を確保する。
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