研究課題/領域番号 |
22H00245
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
奥貫 圭一 群馬大学, 情報学部, 教授 (90272369)
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研究分担者 |
原 正一郎 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 名誉教授 (50218616)
関野 樹 国際日本文化研究センター, 総合情報発信室, 教授 (70353448)
矢野 桂司 立命館大学, 文学部, 教授 (30210305)
中谷 友樹 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (20298722)
桐村 喬 京都産業大学, 文化学部, 准教授 (70584077)
小口 高 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (80221852)
貞広 幸雄 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (10240722)
山田 育穂 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (00594756)
浅見 泰司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (10192949)
薄井 宏行 千葉工業大学, 創造工学部, 教授 (70748219)
石川 徹 東洋大学, 情報連携学部, 教授 (70436583)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,210千円 (直接経費: 31,700千円、間接経費: 9,510千円)
2024年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2023年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 空間情報 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,空間情報の中でも,位置座標の情報が不明確であったり,それがそもそも付されていないものを想定し,これを「不完全な空間情報」と位置づけて,その有効活用を促すための手順や方法を検討する。具体的には,会話文など文字情報になっているもの,写真や図・絵など画像情報になっているものなどを想定しているが,位置情報の付された既存の地理空間情報であっても,位置座標の情報が不正確であることもあり,これらを含めて,広く「不完全な空間情報」と位置づけて検討してみたい。さらに,ここで提案されるであろう手順や方法を,実際に,一般の空間情報利用者が実践できるように,ツールを開発して提供していきたいと考えている。
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研究実績の概要 |
本年度は,2022年9月5日から9日まで神戸市「北野工房のまち」にて開催した空間情報理論国際学術会議「COSIT2022(Conference on Spatial Information Theory)」(石川徹委員長:本研究分担者)などの機会を利用して,本研究課題に関連する最新の研究動向をつかむ作業を主として行った。その作業と並行して,以下に示す通り,自然科学から人文・社会科学までさまざまな研究分野で扱われている「不完全な空間情報」を扱う方法について,検討を始めた。 1)観測頻度などの理由で断続的となるリモートセンシング画像データを用いて地域環境の時系列分析を実現する方法や,アナログの空中写真から作成されているため外れ値の多いDSMデータを扱う方法。2)ウェブ上に流通している大量・多様な地域研究データを収集・分析する方法(Web Crawlingによる収集,機械学習を応用した自動分類,自然言語処理を利用した時空間推定と可視化,異常検出・探知)。3)過去の不確かな地理的環境情報を保持する外邦図の画像資料データベースを再構築し,その閲覧や分析に活用できる新たなプラットフォーム作成。4)ツイートデータから地域間の感情的な関係性(ある地域から別の地域への心配)をとらえるための方法。5)「東京の方」などといったあいまいな方角をデータ化する方法。現状では,ある地点から見たある地理的範囲の方角,地理的範囲同士の方角を数値データとして表現できる。6)時空間的な定常性を考慮して大規模な時空間データを扱うことのできる回帰モデル。7)データの信頼性に地域差がある場合に,これに対して空間的自己相関検定を統制する方法。8)犯罪や交通事故などのイベントの時空間パターンを可視化する方法。9)都市の物的景観を表す指標の値をGISデータから自動的に計測する方法。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で主題とする「不完全な空間情報」は,さまざまなものがあり得るため,最新の研究動向なども踏まえつつ,具体的に取り扱うべき対象を整理する作業を進めている。おおむね順調に進んでいると考えているものの,次年度にもこの作業は必要になることも想定している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定どおり,位置関係を扱う新たな手順と方法の考案,新たな方法を実践するツールボックスの実装へ向けて,進めていく予定である。すでに実現できそうな研究題材をいくつか整理できており,たとえば以下にあげるものがある。1)教育の場面で地域の概要の理解やその効率的な学習につなげるために,あえて解像度の低いデータを用いることの可能性の検討。2)すでに収集できている過去約11年分のツイートデータを利用して地理的知見を得るための分析方法の検討。3)自然言語処理を利用してWebテキストデータから地名に関する語彙を抽出し,ルールベースのアルゴリズムを利用して多くの同名異地から適切な場所を同定し,最後に地名辞書を利用して緯度・経度に変換するという一連の手法をすでに開発できているので,これに対して学習データを増やすとともにアルゴリズムを改良して,その精度の向上を検討する。4)あいまいな方角同士の関係について,時間同士の相対関係を表すAllenの区間代数の考え方をあいまいな方角に適用して扱うことを検討する。5)犯罪や交通事故などのイベントの時空間パターンを可視化する方法の実証研究。6)都市の物的景観を表す指標の値をGISデータから自動的に計測した上で,調和した都市景観とみなせる都市建造物群の地区を検出する方法の検討。
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