研究課題/領域番号 |
22H00252
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大野 宗一 北海道大学, 工学研究院, 教授 (30431331)
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研究分担者 |
澁田 靖 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90401124)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
40,300千円 (直接経費: 31,000千円、間接経費: 9,300千円)
2024年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2023年度: 13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2022年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
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キーワード | 急速凝固 / フェーズフィールド法 / 分子動力学法 / solute trapping / 局所平衡 / solute drag / 局所平衡の破れ / バンド状組織 / 組織形成 / 居所平衡の破れ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、金属材料の組織形成における拡散場の局所平衡の破れを取り入れた数理モデルの構築と組織形成問題の解析である。まず、定量的フェーズフィールド・モデリングを局所平衡仮定を課さずに変分原理から導出する新しい方法を開発する。そして、そのモデルに入力する非平衡な界面物性値を分子動力学法とデータ同化によって算出する方法を発展させる。このアプローチを凝固、固相変態における組織形成の解析に応用し、従来のモデルでは解析不可能だった組織形成問題の解明に取り組む。
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研究実績の概要 |
初年度に開発した局所平衡の破れを考慮した定量的フェーズフィード法及びその数値計算コードを使い、二元系合金の急速凝固におけるsolute trappingとsolute drag効果の解析を行った。まず、板状成長中の濃度分布を解析し、本モデルが従来の理論モデルと同様に分配係数の速度依存性を記述できること、さらにsolute drag効果を適切に考慮できていることを確認した。特筆すべき点は、これらの挙動が界面幅に依存せずに記述できたことであり、本モデルが定量性を有することが示された。これらの一連の特長は従来のフェーズフィールド法にはない特長である。さらに、当初想定していなかった成果であるが、このような定量性を有する定量的フェーズフィールド法にはいくつかの形式が存在することも今年度行ったモデリングで明らかになった。それぞれの形式の利点・欠点を特定するには至っていないが、次年度その解析に取り組むことでさらに優れたモデルの開発が期待される。 また、分子動力学法を使って、Al-Cu合金におけるAl-rich fcc固溶体の凝固の計算を行い、急速凝固における溶質分配を詳細に調査した。その結果、分配係数の界面移動速度を特徴づける界面拡散速度は温度と濃度の依存することが明らかになった。さらに、solute dragパラメータを高精度に算出することにも成功し、solute dragパラメータが実は溶質濃度にも依存することを明らかにした。 上述の分子動力学法の入力値を参考に、Al-Cu合金の急速凝固における組織形成の定量的フェーズフィールド・シミュレーションを実施した。その結果、特定の凝固条件において、板状成長モードとデンドライト成長モードが交互に生じて形成する板状組織が現れることが本計算から示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
定量的フェーズフィールド法の開発、分子動力学法による物性値の算出、これらの組み合わせた組織形成シミュレーションによって今年度はバンド状組織のシミュレーションが実施でき、本研究の大きな目的の一つを達成することができた。いずれも当初の計画通りであり、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
“研究実績の概要”で記載した通り、非平衡凝固を記述する定量的フェーズフィールド法にはいくつかの形式があることが明らかになったため、それらの形式の利点・欠点について検討し、数理モデルの高度化を図る。さらに、分子動力学法による物性値の算出を引き続き行い、急速凝固の原子論的な解明に努めるとともに組織形成シミュレーションに入力パラメータの算出を行う。急速凝固に特有のバンド状組織の計算が本年度可能になったため、今後のこの解析を詳細に行い、凝固条件と組織の特徴について整理する。また、固相変態への拡張についても検討を進める。
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