研究課題/領域番号 |
22H00320
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
内山 真伸 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (00271916)
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研究分担者 |
宮本 和範 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (40403696)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
42,640千円 (直接経費: 32,800千円、間接経費: 9,840千円)
2024年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2023年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2022年度: 16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
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キーワード | 電荷シフト結合 / プロペラン |
研究開始時の研究の概要 |
分子・原子レベルで物性を制御し、生命科学・物質科学に資する『化学』の最も大切な概念は、「結合」である。なぜなら、分子は構成する「結合」の特性により、特有の幾何(立体)構造と電子構造が生じ、機能や物性が現れるからである。有機化学における結合としては、古くより「共有結合」と「イオン結合」が有名であるが、本研究では、1990年代に提唱されはじめた<電荷シフト結合>に着目し、その合成法や活性化法・利用法を開発し、この『準安定結合』に関する構造化学・物理化学・理論化学・合成化学を展開したい。
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研究実績の概要 |
分子・原子レベルで物性を制御し、生命科学・物質科学に資する『化学』の最も大切な概念は、「結合」である。なぜなら、分子は構成する「 結合」の特性により、特有の幾何(立体)構造と電子構造が生じ、機能や物性が現れるからである。有機化学における結合としては、古くより「 共有結合」と「イオン結合」が有名であるが、本研究では、1990年代に提唱されはじめた<電荷シフト結合>に着目し、その合成法や活性化法・ 利用法を開発し、この『準安定結合』に関する構造化学・物理化学・理論化学・合成化学を展開したい。具体的には、「プロペラン」「二原子炭素(C2)」「かご型分子・クラスター分子」「ナノカーボン」の合成化学に革新をもたらし、<電荷シフト結合>の本質を探る基礎学理と物質科学・生命科学に新たな三次元立体電子空間を提供するための有機化学・合成化学・理論化 学を創出することを目指し研究を行っている。本年度は、「『C2 の常温・常圧化学合成』を基盤として、水や酸素や窒素といった小分子との反応」「『新たなケミカルスペースを切り拓く』三次元ビシクロ化合物として、籠型アルカンの一種であるキュバンの化学に取り組んだ。さらに、世界初の常温常圧におけるメタベンザインの発生(ベンゼン環内での電荷シフト結合の生成:成果の一部を Natute Synthesis に報告)」を実現した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、<電荷シフト結合><異常原子価結合>といった『準安定結合』の合成法や活性化法・利用法の開拓により、新たな基礎学理と物質科学・生命科学に新たな三次元立体電子空間を提供するための有機化学・合成化学・理論化学を創出することを目指している。<電荷シフト結合>に関しては、本研究課題の基盤となる「二原子炭素(C2)の常温・常圧化学合成法の開発」「各種プロペランの合成手法の開拓」「メタベンザインの常温常圧発生法の開発と合成化学的利用」について取り組み、多くの課題においてその手法の確立を実現しており、研究計画は順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
<電荷シフト結合>に関するプロジェクトでは、これまで利用されてこなかった各種プロペラン・電荷シフト結合の合成化学を拓くことで、三次元に拡がるケミカルスペースを開拓し、創薬科学・物質科学の新たな可能性に挑戦する。中でも<C2 分子> の研究課題では、最近我々が開発した「C2 の常温常圧における化学合成を基軸として、この C2 分子から様々なナノカーボン(炭素同素体)のボトムアップ合成手法を確立し、新たな三次元化学空間の開拓に挑む。<超原子価結合> のプロジェクトでは、<超原子価ハロゲン結合>に焦点を当て、その異常に高い反応性を利活用し『準安定結合』の合成化学を切り拓き、三次元化学空間の構築に挑む予定である。
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