研究課題/領域番号 |
22H00344
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大西 洋 神戸大学, 理学研究科, 教授 (20213803)
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研究分担者 |
小堀 康博 神戸大学, 分子フォトサイエンス研究センター, 教授 (00282038)
浦谷 浩輝 京都大学, 工学研究科, 特定助教 (50897296)
長坂 将成 分子科学研究所, 光分子科学研究領域, 助教 (90455212)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
43,420千円 (直接経費: 33,400千円、間接経費: 10,020千円)
2024年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2023年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2022年度: 24,050千円 (直接経費: 18,500千円、間接経費: 5,550千円)
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キーワード | 反応メカニズム / オペランド計測 / 半導体光触媒 / ペロブスカイト構造 / 密度汎関数強束縛法 / 反応速度論 / 電子励起状態 / 多電子反応 / マイクロ電極 / 赤外吸収分光 / エックス線吸収分光 / 光触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
水から電子を取り出す半導体光触媒が半世紀にわたる材料探索のなかでいくつも見いだされてきた。これらを改良して社会実装しようとする開発研究が世界中でおこなわれている。その一方で、光触媒のサイエンスを探求する基礎研究は古くから知られた光触媒材料に集中しており、ここに生じた材料ギャップ(material gap)を埋めようとする研究は例外的である。本研究では、最近開発された世界最高レベルの量子収率で水を完全分解する半導体光触媒(NaTaO3とSrTiO3)がミリ秒の時間をかけて水を酸素と水素に分解する物質変換メカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
水から電子を取り出す半導体光触媒が半世紀にわたる材料探索のなかでいくつも見いだされてきた。これらを改良して社会実装しようとする開発研究が世界中でおこなわれている。その一方で、光触媒のサイエンスを探究する基礎研究は古くから知られた光触媒材料に集中しており、ここに生じた材料ギャップ(material gap)を埋めようとする研究は少ない。本研究では、最近開発された世界最高レベルの量子収率で水を水素と酸素に完全分解する2つの半導体光触媒(チタン酸ストロンチウムとタンタル酸ナトリウム)がミリ秒の時間をかけて水を酸素と水素に分解するメカニズムを比較して、光触媒による人工光合成反応のサイエンスを探究する。 (1)マイクロ電極による高速酸素検出:タンタル酸ナトリウム光触媒による水分解反応によって水中に放出される溶存酸素を、直径20 μmの白金電極を光触媒ディスクに接近させて電気化学的に検出した。水素生成反応をアシストする助触媒を担持していない光触媒に励起光を照射すると、電極電流(すなわち電極近傍の酸素濃度)が減少した。光触媒中で励起した電子が溶存酸素を還元してスーパーオキシドアニオンラジカルを生成する反応が光触媒表面で進行し、溶存酸素濃度が低下したと解釈した。このラジカルは過酸化水素に転換し、最終的には酸素分子を再生するが、励起電子が水ではなく溶存酸素を還元することによる損失は避けられない。酸素生成反応に直接関与しない水素生成助触媒が、光触媒による酸素還元を抑制することを明らかにした。 (2)放射光を用いた軟エックス線吸収分光:UVSORにおいて、アナターゼ型酸化チタン光触媒の酸素K吸収端スペクトルを測定した。光触媒をバンドギャップ励起する水銀ランプの迷光が蛍光エックス線信号に混入しないよう注意して測定をおこない、酸素K吸収端スペクトルが励起光照射に対して有意に応答することを見い出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度(2022年度)は予想外の実験結果に対応するため補助金の繰越が必要となった。本年度はマイクロ電極による高速酸素検出・ATRプリズムを用いた水中赤外吸収分光・放射光を用いた軟エックス線吸収分光が計画どおり進展したため、全体として計画にそって順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
最終年次となる2024年度は全体計画にそって、タンタル酸ナトリウム光触媒とチタン酸ストロンチウム光触媒が水を酸素と水素に分解する物質変換の共通点と相違点を抽出する。半導体光触媒による人工光合成反応の基礎学理となる普遍的なコンセプトの提案をめざして研究を続ける。
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