研究課題/領域番号 |
22H00345
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森口 勇 長崎大学, 総合生産科学研究科(工学系), 教授 (40210158)
|
研究分担者 |
瓜田 幸幾 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (40567666)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
41,860千円 (直接経費: 32,200千円、間接経費: 9,660千円)
2024年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2023年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2022年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
|
キーワード | 全固体電池 / リチウムイオン電池 / ナノ複合材料 / ナノ多孔カーボン / Liイオン電池 / 酸化スズ / スズ / リン / 硫化バナジウム / ナノ複合体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は,種々の活物質をナノ多孔カーボン細孔内に優先析出した複合材料を合成し,カーボンナノ空間内におけるLiイオンの拡散や活物質との反応過程の解明および多孔カーボン壁構造制御等を通したLiイオン伝導機能の向上に取組み,高容量で高出力かつ高サイクル安定な全固体電池電極の開発を行う。また,カーボンナノ空間を活用して固体電解質層/電極層界面の安定化を図り,拘束圧フリーの全固体電池開発への展開をも目指す研究である。
|
研究実績の概要 |
本研究では,カーボンナノ細孔空間内を活物質とLiイオンおよび電子の反応場に利用し,また反応に伴う体積変化のバッファ空間として活用することにより,全固体電池の固体電解質層/電極層界面の安定化を図ることを目的とする。さらに,カーボンナノ空間内でのLiイオンの拡散や活物質との反応過程を解明し,多孔カーボン壁構造やナノ空間サイズ等の制御によるLiイオン伝導機能の向上等を図り,ナノ空間を最大限に活用した革新的な全固体電池電極材料の創製を目的とする。 今回,シリカコロイド結晶テンプレート法で得たナノ多孔カーボンおよびナノカーボン(ナノチューブ,ナノホーン)を担体として,気相導入法を用いて酸化スズやスズ,リンの析出を行った。X線回折法により活物質ナノ結晶の生成を確認し,熱重量分析や元素分析により担持量を同定した。さらに,窒息吸着等温線測定や透過型電子顕微鏡観察により担持状態を評価し,酸化スズやリンについてはカーボン細孔内へ優先析出した活物質/カーボンナノ複合体の作製を確認し,特にリン/ナノカーボン複合体では,ナノチーブやナノホーン空間内でリンの高圧相である黒リン結晶の析出が生じていることを見出した。一方,スズについては熱処理過程で細孔外への移動析出も確認された。さらに,層状粘土鉱物を原料としたシリコン・カーボン複合体や水熱合成法による硫化バナジウム・カーボン複合体の合成も行った。 全固体系ハーフセルにて基本的な充放電特性を評価したところ,リン/ナノカーボン複合体や硫化バナジウム・カーボン複合体において,サイクル安定性に優れた充放電特性が発現することを明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
活物質/ナノ多孔カーボン複合体の合成や充放電特性の評価に関して計画通り実施し,研究は着実に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
様々な活物質/カーボンナノ複合材料の合成および各種分光法・分析による構造評価を引き続き行うとともに,活物質担持量や細孔サイズ等の各種構造パラメータを系統的に制御した電極材料を用意する。 その上で,放電容量やレート特性,サイクル特性,クーロン効率等の充放電特性を評価し,構造パラメータと関連づけるとともに,固体電解質系と有機電解液系での充放電特性の違いを考察する。 さらに,全固体電池電極中のLiイオンの拡散や活物質との反応過程を電子顕微鏡観察やEELS分析等により追跡する。
|