研究課題/領域番号 |
22H00356
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
内田 浩二 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40203533)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
42,900千円 (直接経費: 33,000千円、間接経費: 9,900千円)
2024年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2023年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2022年度: 18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
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キーワード | ポリフェノール / タンパク質修飾 / 酸化特異的リガンド / 自然免疫 / 受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
ポリフェノールの本質的機能の解明を目標に、新たな研究課題として「ポリフェノール機能のパラダイムシフト:酸化特異的リガンドの生成と生体防御応答」を立案した。本研究課題では、(i) ファージディスプレイ法を用いた酸化特異的リガンド結合タンパク質の探索、(ii) 酸化特異的リガンドを介した細胞機能制御、(iii) 酸化特異的リガンドを感知する自然免疫機構の3研究項目を中心に研究を展開し、ポリフェノール修飾タンパク質のリガンド分子としての作用機序や生体応答などの解析を行うことにより、食を通じて疾病や健康などの生命現象に深く関わるポリフェノールの新しい機能性を解き明かす。
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研究実績の概要 |
1.酸化特異的リガンド受容体の探索:ファージディスプレイ法により作成したランダムペプチドライブラリーから同定された2種類の酸化特異的リガンド親和性ペプチドについて、ペプチドの化学的な特徴を明らかにした。 2.ポリフェノール修飾タンパク質のリガンド機能:これまでにカテキン (EGCG)を起源とするリガンド受容体として細胞膜に局在するヒストンを同定している。ヒストンとの相互作用が判明しているEGCG修飾タンパク質について、システイン、リジンの各誘導体を用いた検討を行い、アミノ酸側鎖上にカテキンアセンブリーの形成が認められ、そのアセンブリーがヒストンに対して親和性を示すことを明らかにした。 3.酸化特異的リガンドを感知する自然免疫機構の解析:ヒストンはNETs (neutrophil extracellular traps)に含まれる成分として、好中球などから分泌され、疾患の発症に関与することが報告されている。本研究では、ポリフェノール修飾タンパク質のヒストン凝集活性を検討し、EGCGなどのポリフェノールに強いヒストン凝集活性を見出し、その凝集機構について、カチオン-π結合を介した相互作用を明らかにした。 4.ポリフェノール修飾タンパク質を認識するモノクローナル自然抗体の解析:EGCG修飾タンパク質を認識するモノクローナル抗体として獲得した6種類のモノクローナルIgM(CH1~6)について特異性を解析したところ、抗体との結合が見られたポリフェノールについては、ピロガロール構造を持つという共通性を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ファージディスプレイ法の導入に成功し、ランダムペプチドライブラリーから2種類の酸化特異的リガンド親和性ペプチドを同定し、さらにペプチドの化学的な特徴を明らかにした。ヒストンとの相互作用が判明しているEGCG修飾タンパク質について、システイン、リジンの各誘導体を用いた検討を行い、アミノ酸側鎖上にカテキンアセンブリーの形成を始めて明らかにし、そのアセンブリーがヒストンに対して親和性を示すことを明らかにした。さらに、EGCG修飾タンパク質を認識するモノクローナルIgM抗体について特異性を解明するといった進展が見られた。
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今後の研究の推進方策 |
1.酸化特異的リガンド受容体の探索:ファージディスプレイ法により得られた2種類の酸化特異的リガンド親和性ペプチドに関し、その配列情報から修飾リガンドを認識する候補受容体をデータベースから見出す。 2.ポリフェノール修飾タンパク質のリガンド機能:前年度に引き続き、ポリフェノール修飾タンパク質のヒストンとの相互作用に基づく機能性について検討を行う。ヒストンは通常核内にて遺伝子の発現調節を担うことが知られていることから、ヒストンテール領域と相互作用するポリフェノール修飾タンパク質はヒストン誘発性の細胞傷害を緩和すると予想された。そこで、ポリフェノール修飾タンパク質のヒストンによる細胞傷害性への影響を詳細に検討する。 3.ポリフェノール修飾タンパク質を認識するモノクローナル自然抗体の解析:EGCG修飾タンパク質を認識するモノクローナルIgM抗体のうち、EGCG修飾タンパク質だけでなACR-BSAとも交差性を示したCH5に関して、抗体産生B-1a細胞の解析を行うとともに、自然免疫活性化機構の確立を目指す。
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