研究課題/領域番号 |
22H00390
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
立川 雅司 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (40356324)
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研究分担者 |
大山 利男 立教大学, 経済学部, 准教授 (00221838)
三上 直之 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (00422014)
内山 愉太 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (00710766)
三石 誠司 宮城大学, 食産業学群, 教授 (10438096)
石井 圭一 東北大学, 農学研究科, 教授 (20356322)
新田 直子 (加藤直子) 桜美林大学, グローバル・コミュニケーション学群, 准教授 (20377120)
渡邉 悟史 龍谷大学, 社会学部, 講師 (20780977)
松尾 真紀子 東京大学, 大学院公共政策学連携研究部・教育部, 特任准教授 (40422274)
香坂 玲 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (50509338)
櫻井 清一 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 教授 (60334174)
山口 富子 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (80425595)
藤木 篤 関西大学, 社会学部, 准教授 (80609248)
大塚 善樹 東京都市大学, 環境学部, 名誉教授 (10320011)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,990千円 (直接経費: 32,300千円、間接経費: 9,690千円)
2024年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2023年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2022年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
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キーワード | ゲノム編集技術 / 萌芽的科学技術 / 熟議 / 人新世 |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノム編集技術など萌芽的科学技術に大きな注目が集まるなか、食・農・環境分野への広範な応用が見込まれている。応用領域のなかには、培養肉や雌雄制御、絶滅品種の復元など論争の対象となるものも存在しており、気候変動リスクなどが差し迫る中で、どのような条件・範囲で技術応用を許容すべきかの社会的選択に直面している。本研究の目的は、こうした先端技術の応用範囲に関して、多角的な関係主体と共に、境界画定作業を継続的に協議するプロセスをデザインすることにある。その際、様々な正当化言説や意識調査を考慮することで、中立性・透明性の高い熟議のシステム化を目指し、研究開発や産業化のあり方に反映させるべく提言する。
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研究実績の概要 |
第2年度目である2023年度は、前年度に引き続き、ライフサイエンスの最先端技術に関する情報収集を進めた。その一環として、特に生態学分野に詳しい研究分担者1名に加わって頂いた。新型コロナウィルス感染症のために1年遅れで開催された国際社会学会(ISA、オーストラリア・メルボルン)に参加し、報告を行った。報告では、ゲノム編集技術が介在することで、農作物・家畜・微生物・農業機械・自然生態系の間に様々な新たな結合関係が形成されている点を集合体やアクターネットワークなどの諸概念を用いて議論した。 また前年度に共同調査した培養肉等に関するウェブアンケート調査結果を分析し、英語雑誌に公表すると共に、2本目の準備を進めた(投稿原稿を作成し、英文校閲まで実施)。 さらにゲノム編集技術に対する様々な利用方法に関する支持率を把握するために、ウェブアンケートを実施した。当初は国際比較調査を行う予定であったが、調査費用高騰のために実施できず、国内調査のみとした。現在分析中であるが、3年度目に実施する市民対話イベントでの情報提供資料として取りまとめると共に、論文投稿を進める予定である。 科研の研究分担者との研究会も前年度同様に継続的に開催した。主な話題提供のテーマとしては、フューチャーデザインを活用した議論とそのデザイン、穀物・油糧種子をめぐる国際的な動向、ゲノム編集技術をめぐる海外におけるコミュニケーション活動の動向と日本への示唆、欧州における有機農業をめぐる動向と研究者の意見、保全/復元生物学の観点からみた外来生物への対応動向と課題、ジーンドライブをめぐる国際動向と今後の課題、ゲノム編集技術をめぐる研究動向に関する計量文献学、ゲノム編集食品をめぐる政策と社会的受容性に関する研究レビューなどがあり、話題提供と質疑応答が熱心に行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、前年度から延期されていた国際学会に参加し、研究成果の一部を発表することができた。また前年度に実施した培養肉関連の論文に関して、共著論文を英文雑誌に公表することができ、引き続き2報目の準備を進めることができた。また大規模ウェブアンケート調査も計画通り実施し、現在分析を進めている。また分担者を交えた研究会も着実に実施している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(2024年度)は市民参加型のイベントを実施する予定であり、このイベントに向けて、関連成果を情報提供用の資料として取りまとめつつ、市民に提供する準備を進めていく予定である。特に2023年度に実施したウェブアンケート調査に関しては、市民に提供できる形でゲノム編集技術の適用に関する意見分布に関する知見をまとめる。研究分担者による研究会についても、継続的に実施する予定である。
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