研究課題/領域番号 |
22H00407
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 和俊 京都大学, 高等研究院, 特別教授 (70182194)
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研究分担者 |
蜷川 暁 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 助教 (80647991)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
42,510千円 (直接経費: 32,700千円、間接経費: 9,810千円)
2024年度: 13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
2023年度: 13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
2022年度: 15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
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キーワード | 小胞体関連分解 / 構造異常の度合い / オルガネラ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は小胞体関連分解の分子機構に焦点を当て、小胞体内で連続的に行われるイベントに割り当てられた分子が実際にどのように働いているのかを、構造異常の度合いによって分解経路が変わるという独自の視点下で、ゲノム編集法や生化学的手法により精緻に解析し、シャペロンによる高次構造形成と小胞体関連分解がいかに協調して小胞体におけるタンパク質品質管理機構を成立させているか、さらに細胞にとって極めて有害なシビアな構造異常糖タンパク質をどう処理するか、その全容を解明する。
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研究実績の概要 |
小胞体において構造異常となったタンパク質は細胞質へ逆向き輸送され、ユビキチン・プロテアソーム系により分解されて恒常性が維持される。この小胞体関連分解の哺乳動物における分子機構に関し、申請者は逆遺伝学を初めて導入し、分解基質認識の初期ステップである糖鎖プロセシングに関与する酵素がEDEM2およびEDEM3であると同定して従来のモデルを一新し、EDEM2が複合体として機能することを実証した。さらに、構造異常が顕著な糖タンパク質は、上記の糖鎖プロセシングを経ずに強制分解されることも見出した。本研究では、小胞体内で連続的に行われるイベントに割り当てられた分子が実際にどのように働いているのかを、構造異常の度合いによって分解経路が変わるという独自の視点下で、ゲノム編集法や生化学的手法により精緻に解析し、細胞にとって極めて有害なシビアな構造異常糖タンパク質をどう処理するか、その全容を解明することを目的としている。。 構造異常糖タンパク質にグルコースを再付加する UGGT1/UGGT2 が小胞体関連分解に及ぼす影響を明らかにするため、UGGT1/UGGT2 破壊細胞を作製して解析した。UGGT2 破壊細胞では影響は見られなかったが、UGGT1 破壊細胞では ATF6a の分解が顕著に加速された。同様に、構造異常糖タンパク質であるNHK, CD3d-△TM の分解も加速されたが、非糖タンパク質である NHK-QQQ の分解は加速されなかった。NHK 分解の加速には UGGT1 のグルコース付加活性が必要であった。一方、半減期の長いタンパク質のターンオーバーには影響しなかった。よって、UGGT1 による構造異常糖タンパク質のグルコース再付加とそれに続くカルネキシンサイクルは、糖タンパク質小胞体関連分解と競合関係にあると結論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
UGGT1/UGGT2 破壊細胞を作製して解析した結果、上記の結論が得られ、論文を投稿して審査された。
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今後の研究の推進方策 |
UGGT1/UGGT2 の論文は eLife に投稿し、 Reviewed Preprint の状態になっているので、リバイズし、published の状態に持っていく。さらに、シビアな構造異常タンパク質を糖鎖非依存分解経路に回す Protein X の解析を進める。
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