研究課題/領域番号 |
22H00480
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 雅史 九州大学, 医学研究院, 教授 (30372741)
|
研究分担者 |
岩本 千佳 九州大学, 医学研究院, 助教 (10752842)
大内田 研宙 九州大学, 医学研究院, 准教授 (20452708)
竹中 克斗 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (30301295)
村田 正治 九州大学, 先端医療オープンイノベーションセンター, 教授 (30304744)
仲田 興平 九州大学, 大学病院, 准教授 (30419569)
森崎 隆 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90291517)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
42,900千円 (直接経費: 33,000千円、間接経費: 9,900千円)
2024年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2023年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2022年度: 18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
|
キーワード | 膵癌 / 癌関連線維芽細胞(CAF) / 抑制性腫瘍免疫微小環境 / CAR-T細胞療法 / CAF / 免疫微小環境 / CAR-T / CAR-T療法 / 腫瘍免疫微小環境 / キメラ抗原受容体T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌が治療抵抗性である要因として腫瘍免疫抑制的な環境があるが、癌間質細胞(CAF)が原因の一つであると考えられている。また、CAFのheterogeneityの解明が進み、膵癌でも複数の機能的CAFクラスターの存在が明らかにされてきたが、腫瘍免疫抑制の要因となる機能的CAFクラスターは同定されていない。本研究では抗腫瘍免疫抑制的な環境を構築する特定のCAFクラスターを同定し、そのようなCAFクラスターを標的とするキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法を開発する。
|
研究実績の概要 |
膵癌は5年生存率が10%以下と難治がんの代表でその治療法の開発は社会的緊急性が高い。膵癌の治療抵抗性の要因として豊富な間質とそれに付随する腫瘍免疫抑制的環境がある。近年、免疫チェックポイント阻害剤が注目されているが、既存の免疫療法の膵癌での有効性は限られており、膵癌の免疫微小環境の特殊性が示唆される。血液腫瘍と異なり固形がんでは抗腫瘍免疫を抑制する免疫微小環境が構築されており、周囲に存在する特定の癌関連線維芽細胞(CAF)クラスターがその微小環境の形成・維持に関わることも報告されている。この特定のCAFクラスターによって誘導・維持される免疫抑制性の微小環境を克服すれば免疫療法のみならず様々な治療法との相乗効果が期待できる。そこで我々は特性のCAFクラスターを標的とする手法としてキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)に着目した。scRNAseqデータに基づいて特定の機能的CAFクラスターを標的とすることで、癌間質相互作用や物理的な間質構造改変のみならず、免疫抑制性微小環境の改変を実現する。膵癌患者24例のpublic dataから入手可能なscRNAseqデータから、CAFと予後に関連のある496遺伝子を選定し、その中でT細胞の疲弊化と相関のある130遺伝子を同定した。その中からCAR-T細胞療法の候補として有用と思われる遺伝子を選定し、CAR plasmidの作製を行った。作製したCAR-T細胞の機能評価を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
膵癌患者のscRNAseqデータから、CAFと膵癌細胞のそれぞれに発現している候補遺伝子を探索し、CAR-T細胞療法の標的候補を絞り込んでおり、標的候補分子のうちいくつかの分子については、免疫染色等で発現の確認を行った。候補分子のCAR plasmidを作製し、CAR-T細胞の作製を進めており、作製したCAR-T細胞の機能評価を行っており、おおむね順調に進展していると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
作製したCAR-T細胞の殺細胞効果や、CAFとの共培養後にCAR-T細胞から分泌されるサイトカインおよびタンパクの発現解析を行う。さらに、PDXモデルを用いて、新規CAR-T細胞の腫瘍縮小効果や癌免疫微小環境変動の評価をin vivoモデルで行う。
|