研究課題/領域番号 |
22H00484
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中田 光俊 金沢大学, 医学系, 教授 (20334774)
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研究分担者 |
大槻 純男 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (60323036)
内田 康雄 広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (70583590)
古田 拓也 久留米大学, 医学部, 助教 (20646690)
木下 雅史 金沢大学, 医学系, 講師 (50525045)
田中 慎吾 金沢大学, 附属病院, 助教 (40507084)
中嶋 理帆 金沢大学, 保健学系, 助教 (60614865)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
42,510千円 (直接経費: 32,700千円、間接経費: 9,810千円)
2024年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2023年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2022年度: 15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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キーワード | 膠芽腫 / 血液バイオマーカー / 早期診断 / 予後判定 / エクソソーム / バイオマーカー / 血液 / 脳機能 |
研究開始時の研究の概要 |
膠芽腫は脳原発の完治困難な悪性腫瘍である。血液バイオマーカーを背景とした革新的がん医療が進んでいる中で、膠芽腫においては血液バイオマーカーの臨床応用例はない。血液バイオマーカーによる早期診断、予後判定、脳機能維持予測ができれば膠芽腫医療は劇的に改善すると考えられる。本研究では、膠芽腫血液エクソソームが包含するタンパクの最先端プロテオミクスによるプロファイルからバイオマーカー候補分子を抽出し、強固な分子生物学的基礎研究による裏付け実験を行う。本研究により膠芽腫医療を顕著に進歩させる血液バイオマーカーの臨床応用へ向けた基礎基盤を構築する。
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研究実績の概要 |
膠芽腫は脳原発の完治困難な悪性腫瘍である。膠芽腫においては血液バイオマーカーの臨床応用例はない。血液バイオマーカーによる早期診断、予後判定、脳機能維持予測ができれば膠芽腫医療は劇的に改善すると考えられる。本研究では、膠芽腫血液エクソソームが包含するタンパクの最先端プロテオミクスによるプロファイルからバイオマーカー候補分子を抽出し、強固な分子生物学的基礎研究による裏付け実験を行う。本研究により膠芽腫血液バイオマーカーの臨床応用へ向けた基礎基盤を構築する。4つのステップにてプロジェクトを推進する。 ステップ1では革新型プロテオミクス法を用いた候補分子の同定と定量、ステップ2では妥当性検証のため培養細胞や動物を用いた生物学的裏付け研究、ステップ3では、血液検体に附帯した詳細な臨床データ、脳機能データと血中タンパク分子との関連解析、ステップ4ではシーズ化した膠芽腫の多施設多点血液検体を用いて同定された候補マーカーの検証を行う。 これまでにステップ1における健常人血液と初発膠芽腫血液のエクソソームの抽出を試み成功した。このエクソソームのプロテオミクス解析を行い、健常人と膠芽腫で有意差を認める早期診断バイオマーカー候補分子を複数見出している。現在、ステップ2として、候補分子を絞り、生物学的裏付け研究を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
並行して効率的に進める計画であったステップ1, 2は予定通り遂行している。 ステップ1:健常人血液5検体と初発膠芽腫血液5検体からエクソソームを抽出してプロテオミクス解析に十分量であることを確認した。次いで、革新型プロテオミクス法を用いてエクソソームに含まれるタンパク分子のリスト化と定量を行った。その結果、健常人と初発膠芽腫で有意な差を認める候補分子が複数抽出された。これらの分子は早期診断マーカーとなりうる。 ステップ2: ステップ1で検体数を増加させる一方で、初期段階で抽出された候補バイオマーカー分子のうち3種類に着目した。バイオマーカーとしての妥当性を多面的に検証するため、候補分子の生物学的機能や膠芽腫形成における役割を明らかにするべく手術摘出検体、培養細胞を用いて基礎的実験を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
ステップ1:血液検体数を増やし引き続きプロテオミクス解析を行って、更なる候補分子の抽出を試みる。追加検体として、治療前・治療後・再発時の3ポイントが揃っている経時的血液検体10症例を予定している。 ステップ2:現在の3種類の候補分子に関する基礎実験を継続させ、生物学的な役割を明らかにする。培養細胞を用いたin vitroの実験を行いながら、動物実験も開始する。 ステップ3:血液検体に附帯した詳細な臨床データと血中タンパク分子定量値との関連を解析する。予後判定マーカー探索のために治療前検体のタンパク定量値と全生存期間、無再発生存期間の関連をKaplan-Meier法で検討する。
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