研究課題/領域番号 |
22H00489
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岸 玲子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, センター特別招へい教授 (80112449)
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研究分担者 |
齊藤 卓弥 北海道大学, 大学病院, 特任教授 (20246961)
池田 敦子 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (00619885)
山崎 圭子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任講師 (60732120)
田村 菜穂美 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任講師 (80836164)
山口 健史 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任准教授 (80894972)
宮下 ちひろ 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 客員研究員 (70632389)
伊藤 佐智子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 客員研究員 (90580936)
アイツバマイ ゆふ 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任准教授 (90752907)
小林 澄貴 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 客員研究員 (10733371)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
43,680千円 (直接経費: 33,600千円、間接経費: 10,080千円)
2024年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2022年度: 26,910千円 (直接経費: 20,700千円、間接経費: 6,210千円)
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キーワード | 環境化学物質 / 出生コーホート / 青年期 / NCDs / 精神疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は20年間追跡している出生コーホート「環境と子どもの健康に関する研究・北海道スタディ(北海道スタディ)」において、現在の社会的課題の克服、および将来の疾病予防の達成を目指して、青年期以降の追跡および健康・疾病アウトカム評価を行う。本研究では生涯の健康向上と疾病リスク低減を念頭に、環境要因と青年期以降の体格や睡眠、甲状腺や性ホルモン、脂質糖代謝、および月経不順や月経困難症などの将来の生殖能力に関与する多様なアウトカムを評価する。将来の非感染性疾患や神経発達障害、不妊を含むリプロダクティブヘルス、若年層で深刻な社会問題であるうつ等の精神疾患の早期兆候と環境要因との関連を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では20年間に渡り追跡している出生コーホート研究を用い、胎児期および生後の環境化学物質による曝露を含む環境要因による次世代影響の解明を目的として、将来の非感染性疾患(NCDs; Non-Communicable Diseases、循環器疾患や糖尿病など)や神経発達障害、不妊を含むリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)、若年層で深刻な社会問題であるうつ等の精神疾患の早期兆候と環境要因との関連を明らかにする。 2023年度は、コーホートの参加者について12歳で第二次性徴に関する調査票1,030件、12歳で小学校の学校健診記録から転記する身長体重調査票1,012件、15歳で中学校の身長体重調査票1,183件、17歳のアレルギーと体格の質問票1,322件を発送した。回収数は、12歳第二次性徴686件(回収率66.6%)、12歳身長体重は672件(回収率66.4%)、14歳359件(回収率31.5%)、15歳611件(回収率51.6%)17歳757件(回収率57.3%)であった。郵送法で12歳の対象者から271件の尿試料を回収した。18歳の調査の本人の同意に関して1360件の発送を行い、667件(回収率51.6%)の返送があり、同意354件、不同意313件を得た。 14-17歳の参加者39名を対象に、対面調査を実施した。参加者はアレルギーおよび身の周りの日用品の使用頻度等に関する調査票に回答し、採血、採尿を実施した。また、睡眠や活動量等を測定するため、Fitbitを着用して対面調査から1週間のデータ収集を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大規模出生コーホートの調査継続、質問票の発送および回収に関しては概ね計画通りに進んでいる。青年期の対象者のリクルートを継続すると共に、青年期のアウトカムである主観的健康感、社会的問題行動の評価を行い、次年度の環境化学物質の曝露に関する生体試料の評価につなげる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き出生コーホートの調査継続、青年期の参加者のリクルート、質問票の発送および回収、フォローアップの維持を継続する。2024年度は収集したアウトカムのデータをもとに、環境化学物質の曝露に関する生体試料の評価を行う計画である。最終的には、胎児期および生後の環境化学物質による曝露を含む環境要因による次世代影響の解明を目的として、将来の非感染性疾患や神経発達障害、不妊を含むリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)、若年層で深刻な社会問題であるうつ等の精神疾患の早期兆候と環境要因との関連を明らかにする。 これまでの対面調査で得られた尿や血液検体の生体試料については、化学物質ばく露測定および健康アウトカムと関連するバイオマーカーの分析を検討する。具体的には、昨年度までに測定を終えた、7歳時点の尿中の有機リン系農薬、ネオニコチノイド系農薬代謝物濃度と13歳の脳波および8歳の注意欠如・多動症との関連について解析する。また、9-12歳児約430名分の尿中フタル酸エステル類およびPFR代謝物、ビスフェノール類、PFAS等の分析が済んでいるので、NCDsの原因となる肥満等の健康アウトカムや性ホルモン濃度との関連を検討する。子どもの思春期の肥満と出産時の臍帯血で測定したエピジェネティクス等の分子機構の関連についても解明することを目指す。
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