研究課題/領域番号 |
22H00496
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
谷川 武 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (80227214)
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研究分担者 |
山岸 良匡 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (20375504)
村木 功 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70731561)
斉藤 功 大分大学, 医学部, 教授 (90253781)
丸山 広達 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (20627096)
小橋 元 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60270782)
和田 裕雄 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (50407053)
野田 愛 (池田愛) 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (10616121)
陣内 裕成 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50805421)
ニヨンサバ フランソワ 順天堂大学, 国際教養学部, 教授 (60365640)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
43,030千円 (直接経費: 33,100千円、間接経費: 9,930千円)
2024年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2023年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2022年度: 20,280千円 (直接経費: 15,600千円、間接経費: 4,680千円)
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キーワード | 客観的な睡眠指標 / 心身の健康 / 大規模疫学研究 / ライフステージ |
研究開始時の研究の概要 |
栄養、運動、休養が健康づくりの3本柱に挙げられて久しいが、客観的な指標により評価した睡眠状態が心身の健康に及ぼす影響に関してのエビデンスは限られている。また、小児期から高齢期のライフステージ別に同一の客観的な睡眠指標を用いて睡眠と心身の健康影響との関連を検討した研究は国内外とも皆無である。本研究計画では、小中学校、事業場、産科医療機関、自治体において精緻な疫学研究を遂行し、ライフステージ別に客観的な睡眠指標の確立と、その心身の健康に及ぼす影響の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度は以下の研究を実施した。 ・小児の睡眠に関する研究 :2022年度は、東大和市の小学校1,2年生(N=922)を対象として、気管音より推定した無呼吸・低呼吸指数をもとに睡眠時無呼吸症を診断した。共同研究者であるDavid Gozal 博士が作成したseverity hierarchy score (SHS)について、日本語版の作成及びvalidationを行った結果、欧米では、SHS 2.72をカットオフ値としていたが、日本人小児の場合、カットオフ値として、2.08が得られた。また、本研究から睡眠時無呼吸症候群と上気道炎(感冒)とが関連することが明らかとなった。 ・Circulatory Risk in Communities Study(CIRCS):2000~2005年度にパルスオキシメトリー検査を実施した40~79歳男女4,712人を対象として、睡眠呼吸障害の有無とその後の心房細動罹患との関連について、縦断的に検討を行った。睡眠呼吸障害がある者ではその後の心房細動罹患リスクが高いことが明らかとなった。本結果を現在英文雑誌に投稿中である。 ・東温スタディ:東温スタディでは、第1期(2009~2012年)のベースライン調査ならびに第2期(2014~2017年)の5年後追跡調査に参加した対象者に第3期(2019~2023年)の10年後追跡調査を実施している。2022年度は、計457名に対して調査を実施し、これにより第3期の対象者数は累計905名となった。 ・就労集団における睡眠と心身の健康との関連:本年度は、介護・医療関連業務に従事する688名の女性を対象に、睡眠呼吸障害(SDB)と精神運動覚醒検査により評価した持続的注意力との関連について検討した。その結果、BMI が比較的高く、中等度以上の SDB を有する女性では、SDBが持続的注意力の低下と関連することが示された(調整後オッズ比 (95%信頼区間), p 値:1.97 (1.10-3.52), 0.02)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「就労集団における睡眠と心身の健康との関連」の研究について、某企業において新規のコホートを立ち上げる予定であったが、検体提供に関する各種事務手続きについて当初の想定以上に時間を要し、調整がつかないため研究の実施が遅れている。また、同研究とともに、「妊産婦ならびに出生児の睡眠と健康との関連 」の研究についても、両研究で使用する予定であった加速度計について、メーカーからの提供条件の変更等により実施時期が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度以降、各研究について以下の方針で実施する。 ・小児の睡眠と問題行動との関連 :既に収集した都内の小学生を対象としたデータを用いて、OSAの重症度ならびに客観的な睡眠不足度と問題行動との関連等について検討する。 ・就労者集団における睡眠と心身の健康との関連 :某企業における新規調査を実施し、OSAの重症度や客観的な睡眠不足度と心身の健康について検証する。 ・妊産婦ならびに出生児の睡眠と健康との関連 :産婦人科医院における調査を実施し、妊産婦におけるOSAの重症度や客観的な睡眠不足度と出産状況との関連について検証する。 ・地域住民中高年者におけるOSAと循環器疾患のリスク、フレイル、認知症の発症との関連:引き続き、CIRCSや東温スタディを実施するとともに、蓄積されたデータを用いて、OSAの重症度や客観的な睡眠不足度と循環器疾患危険因子ならびに、フレイル、認知症との関連を検証する。
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