研究課題/領域番号 |
22H00508
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
森嶋 厚行 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (70338309)
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研究分担者 |
豊田 正史 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60447349)
沼田 雅之 法政大学, 法学部, 教授 (30580972)
松原 正樹 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (90714494)
伊藤 豊 島根県立大学, 地域政策学部, 准教授 (00633471)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,990千円 (直接経費: 32,300千円、間接経費: 9,690千円)
2024年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2023年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2022年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | 労働プラットフォーム / クラウドソーシング / Future of Work / 人とAIの協働 |
研究開始時の研究の概要 |
クラウドソーシングプラットフォームを代表とする「労働プラットフォーム(PF)」の本質は,従来プロジェクトマネジャや上司が行っていた分業マネージメントのAI化であり,人間では困難なスケールとスピードによる新たなサービスの創出が期待される.しかし現状は,個々のPF毎に雇用者視点の最適化が行われるため,潜在能力を生かし切れず,また労働者のディストピアを招く可能性がある.本研究では複数PFの連携を可能とするメタPFを構築し,DB領域で成功している宣言型フレームワークと問合せ最適化理論を元に,全体最適化,AIワーカ対応,ワーカ視点の最適化等を実現し「計算可能で」「より良い」PF上での分業を明らかにする.
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研究実績の概要 |
2022年度は3つの研究課題についてそれぞれ次のような研究成果が得られた. 【研究課題1:基本となる統合ワークフローの構築支援】統合ワークフローを,少数の関数定義により記述可能な枠組みを開発し,図書館書誌情報統合のワークフロー題材に記述可能性の検証を進めた. 【研究課題2:状況に合わせたタスク分割・変換,割り当て,結果統合の全体最適化】タスクが与えられたときに,複数PFからより多くの適切なワーカを得る問題が自明で無いことを示し,多椀バンディットの枠組みが有効であることを明らかにした.また,エキスパートが存在しない場合にその行動パターンをモデル化して一般のクラウドワーカから高品質な結果を得る手法,AIワーカが存在するときの効率的な評価手法および結果統合手法,個人の状況に応じて,質問の回答時に嫌な気持ちにさせないエシカル視点を考慮したタスク割当て最適化手法,ヒューマンインザループの潜在空間学習のタスクデザインについても研究を行った. 【研究課題3:経済視点,労働法的視点を含むELSI分析と支援機能】まず,プラットフォームワーカに対する調査・分析を行ったことのある調査会社との間で意見交換を行い,ワーカが直面する課題についての知見を高めたほか,視覚障害を持つワーカに対してサーベイを行い,既存のクラウドソーシングプラットフォームに感じる問題点をいくつか明らかにした.また,プラットフォーム企業から提供されたデータについて調査を開始した.支援機能については,様々な能力のワーカが存在するときに,タスクをより多くの人々に割当て可能なインクルーシブタスク割当ての手法を開発した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に進捗していると考える理由は次の通りである.まず,進み具合には差があるものの,3つの課題それぞれについて1年目から最初の成果が出つつある.特に,第2の課題である状況に合わせたタスク分割・変換,割り当て,結果統合の全体最適化いついては,複数のPFを通じて適切なワーカをより多く確保する手法の手がかりが得られている.これは大規模問題に対して複数の労働PFが協力するとう研究ビジョンに繋がる成果であり,さらなる成果が今後得られる可能性があると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
基本となる統合ワークフローの構築支援については,アブストラクションを一つに絞らず複数のアプローチを試みるほか,特にAIワーカを上手に扱えるような構築支援手法に取り組む予定である.最適化手法については,環境的,個人的な視点で与えられた状況での様々な最適化手法の開発に取り組むと共に,第3の課題の成果を考慮したELSI視点を取り入れた研究を推進する.
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