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インソールセンサ開発と個人足底情報ビッグデータ構築で切り開く足底科学

研究課題

研究課題/領域番号 22H00537
研究種目

基盤研究(A)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 中区分61:人間情報学およびその関連分野
研究機関京都大学 (2024-2025)
大阪大学 (2022-2023)

研究代表者

川節 拓実  京都大学, 工学研究科, 講師 (70868330)

研究分担者 細田 耕  京都大学, 工学研究科, 教授 (10252610)
堀井 隆斗  大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (60809333)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2025年度)
配分額 *注記
41,860千円 (直接経費: 32,200千円、間接経費: 9,660千円)
2025年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2024年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2023年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2022年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
キーワード足底科学 / インソールセンサ / ヒト運動スキル / 聴覚フィードバック / 運動理解 / 測定科学 / 足底3軸力 / スポーツサイエンス / ウェアラブルセンサ
研究開始時の研究の概要

ヒトの身体を支持する足底には,脚運動に加え全身の運動が足底へ加わった荷重やねじり,滑りなどの力学情報として現れる.これらの情報は,超高齢社会の日本においてヘルスケアやリハビリなどに欠かせないが,現状では解析に必要な精緻かつ十分な量のデータが得られていない.本研究では足底に現れる多様な力学情報を足底情報と定義し,これを使用環境や装着条件を制約せず安定に測定可能なインソールセンサを開発,様々な場面で足底情報を測定・ビッグデータを構築して運動スキルの理解に迫り,スポーツサイエンスやヘルスケアなど多岐に渡る分野の応用をもたらす足底科学を開拓する.

研究実績の概要

本年度は,足底3軸力が計測可能なインソールセンサを用いたリアルタイムでの聴覚フィードバックシステム開発を進め,スキー滑走中における聴覚フィードバックによるヒト運動の誘導と解析の実験を進めた.昨年度開発したインソールセンサを用いて,両足の情報を同期して無線でパソコンで計測できるようシステム開発を進め,昨年度は未実施であった両足の情報を統合した聴覚フィードバックを実施できる環境を構築した.このシステムを用いて,左右の足底3軸力を組み合わせて圧力中心や剪断力の左右分布を元に複数の聴覚フィードバック手法を試行錯誤的に構築した.
構築したシステムを用いて,実際のスキー場においてスキー滑走中に聴覚フィードバックを被験者に呈示することで,運動が誘導できるかどうかを検証した.具体的には,滑走中のカーブ時にカーブ外側の足により強く荷重が加わる,すなわちより強いカーブ運動を誘導するような音を生成して呈示した.その結果、中上級者の被験者は聴覚フィードバックありの際に,よりカーブ外側の足に強く荷重が加わることを確認した.一方で,初心者にはその傾向は見られず,このことから自身の運動をある程度理解して制御できる段階では運動の誘導効果が見られることを確かめた.また,圧力ベースと剪断力ベースの音生成手法の間には誘導効果に差は見られないことを確認した.
またスポーツ応用以外にも,日常生活における足底3軸力データ収集も進め,特に疲労時の歩行で生じる剪断力の変化に注目して被験者実験を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り,インソールセンサの開発と改良を進め,聴覚フィードバックシステムの構築を進めた.左右両足の足底3軸力の同期計測も可能となり,リアルタイムでの聴覚フィードバックシステム構築したことで,今後フィードバックで呈示する音生成の手法を様々に試すことが可能となり,被験者実験を大規模に進める前段階の準備が整った.予備実験的に行った聴覚フィードバックによる運動誘導の実験からはスキー滑走中のカーブ運動を誘導できることを確認し,足底情報のフィードバックが被験者の運動誘導を可能なこと,また同時に足底3軸力を計測し運動スキルと剪断力の関係性に迫るデータの取得が可能なことを確認した.また,疲労時の歩行変化などに注目した日常生活における足底3軸力計測も並行して実施しており,個人差の大きい計測データを扱う手法についての議論も進めている.

今後の研究の推進方策

構築した足底3軸力情報に基づく聴覚フィードバックシステムを用いて,スキー滑走時の運動を例に運動を効果的に誘導可能な音生成に取り組む.特に,現在は圧力ベースと剪断力ベースの音生成手法間で誘導される運動に有意な差が見られないため,同時に計測したカーブ運動時の足底3軸力の計測データ解析を進め,被験者のスキルとカーブ時に生じていた剪断力の関係性を明らかにすることで剪断力を用いた音生成手法の構築を進める.
センサ開発においては,インソールセンサのサイズ展開と計測アプリ開発を重点的に進める.前者に関しては,これまで開発したインソールセンサは27cm程度の足サイズを想定していたが,被験者実験を大規模に実施するに当たって異なる足のサイズに対応できるよう,特に小型化が可能かどうかの検討を進める.後者に関しては,現状ではセンサからのBluetooth通信をノートパソコンで受けていたが,聴覚フィードバック含めた被験者実験をより手軽に実施して大規模データ収集が可能となるよう,スマートフォンなどの小型デバイスでデータ収集が可能なアプリ開発を進める.これらを進めることで,被験者実験を大規模に実施し,足底データのビッグデータを生成して個人差を吸収した本質的なヒトの運動スキルの表現,解析手法の構築を進める.

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 審査結果の所見   実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] Wireless insole sensor system with real-time pressure and shear force measurement2023

    • 著者名/発表者名
      Risa Ishiguro, Ojiro Matsumoto, Ryu Takahashi, Takumi Kawasetsu, Eiichi Naito, Koh Hosoda
    • 学会等名
      The 11th International Symposium on Adaptive Motion of Animals and Machines
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 日常使用可能なインソールセンサを用いた筋疲労時の足底3軸力分布評価2023

    • 著者名/発表者名
      横山高暉, 合田孝輝, 川節拓実, 細田耕
    • 学会等名
      ロボティクス・メカトロニクス 講演会2023
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] スキー中の足底3軸力の計測と聴覚フィードバックシステムの開発2023

    • 著者名/発表者名
      合田考輝, 石黒理紗, 松本旺二郎, 高橋隆, 川節拓実, 内藤栄一, 細田耕
    • 学会等名
      第41回日本ロボット学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] インソールセンサを用いた足底3軸力の計測と運動スキル改善のための聴覚フィードバックシステムの開発2022

    • 著者名/発表者名
      合田考輝, 石黒理紗, 松本旺二郎, 高橋隆, 川節拓実, 細田耕
    • 学会等名
      ロボティクス・メカトロニクス講演会2022
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 3軸柔軟力覚センサを用いたインソール型センサシステム2022

    • 著者名/発表者名
      高橋隆, 石黒理紗, 松本旺二郎, 平山智貴, 川節拓実, 細田耕
    • 学会等名
      ロボティクス・メカトロニクス講演会2022
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [産業財産権] 聴覚フィードバックシステム2023

    • 発明者名
      内藤栄一, 細田耕, 川節拓実他
    • 権利者名
      内藤栄一, 細田耕, 川節拓実他
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2023-087932
    • 出願年月日
      2023
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2025-06-20  

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