研究課題/領域番号 |
22H00557
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉澤 晋 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (00553108)
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研究分担者 |
岩崎 渉 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (50545019)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
40,820千円 (直接経費: 31,400千円、間接経費: 9,420千円)
2024年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2023年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2022年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 海洋微生物 / 微生物生態 / 光受容体 / メタゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
生命の活動エネルギーは基本的に全て太陽光に由来することから、生態系の把握には、『光エネルギーを「どの生物が?」「どのような機構で?」「どのくらい?」受容するか』の理解が必要不可欠である。本研究では、沿岸から外洋、深海から堆積物、北極から南極に至るまで幅広い環境で実施された海洋メタゲノムを大規模に集約・再解析することで遺伝子の全球分布を可視化できる「海洋微生物可視化プラットフォーム」を作成する。そして、『光受容体関連遺伝子の全球分布を可視化』及び異種発現機能解析から『光受容システムを解明』し、海洋微生物の光受容システムのSeascape(海風景)を描き出すことでその全貌解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、これまでに実施されたほぼ全ての海洋メタゲノムプロジェクトを集約・再アセンブル・再解析を行い、海洋微生物を全球レベルで比較可能なデータベースを構築する。構築したデータベースを用いて、海洋微生物の持つ光受容システム(ロドプシンや光合成に関連する遺伝子)の分布を網羅的に解析する。また、メタゲノム再構築ゲノム(MAG)から、各遺伝子を持つ生物種の特定を行い、上記解析結果と統合することで、海洋微生物の持つ光受容システムを全球レベルで可視化することを目指す。
メタゲノムデータを用いて、個々の微生物ゲノム(MAG:Metagenome-Assembled Genome)を解読する手法の開発をおこない、開発した手法を用いて、公共データベースから入手可能な、様々な海洋環境に由来する大規模メタゲノムデータ(約29兆塩基対)の解析を行なった。その結果、59門にまたがる5万以上の原核生物ゲノムの解読に成功し、得られたゲノムの情報を整備して、約15,000ゲノムを収載する海洋微生物ゲノムデータベースMarDBを大幅に上回る、世界最大の海洋微生物ゲノムカタログ「OceanDNA MAGカタログ」として公開した。構築した世界最大の微生物ゲノムデータベースを用いることで、これまでにない解像度で機能遺伝子の分布および遺伝子を持つ分類群を調べることが可能になる。今後の研究では、データベースを用いて、微生物型ロドプシン、光合成関連遺伝子(pufM)の全球分布の解析を実施予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大規模メタゲノムデータの解析を行い、海洋微生物ゲノムカタログ「OceanDNA MAGカタログ」として公開することができたため、順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究で構築した「OceanDNA MAGカタログ」を用いて、ロドプシンおよびpufM遺伝子を保有するゲノムを対象に大規模系統解析を行い、光受容体を保有する細菌分類群を網羅的に明らかにする。これまでに光受容体関連遺伝子が報告されていない分類群が見つかった場合は、ゲノムの詳細を調べ、その特徴を明らかにする予定である。また、系統解析と並行して、ロドプシンおよびpufM遺伝子の海洋環境での分布を解析する。ロドプシンに関しては、レチナールの光捕集を補助するアンテナ色素の有無までを調べる予定である。
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