研究課題/領域番号 |
22H00561
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
角皆 潤 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (50313367)
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研究分担者 |
山口 保彦 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 総合解析部門, 主任研究員 (50726221)
中川 書子 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (70360899)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
43,030千円 (直接経費: 33,100千円、間接経費: 9,930千円)
2024年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
2023年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2022年度: 20,150千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 4,650千円)
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キーワード | 酸素消費速度 / 貧酸素化 / 極微量安定同位体 / 沈降粒子 / 琵琶湖 / 呼吸 / 酸素 / 水柱 / 堆積物 / 有機態炭素 / 同位体トレーサー法 / 粒径分画 |
研究開始時の研究の概要 |
水環境中の酸素消費速度を水柱と堆積物のそれぞれに分けて実測することで、水環境中における酸素消費過程、特に沈降する有機物粒子が引き起こす水柱中の酸素消費過程の大きさの実態や、その大小を決めるメカニズムを解明し、貧酸素化の今後の推移を予測する。具体的には、琵琶湖や伊勢湾において各層採水と採泥を中心とした観測を実施する。そして、極微量安定同位体をトレーサーとする新手法を用いて、各試料の酸素消費速度を実測する。同時に各水環境に懸濁・溶存する有機物の量や特性を解明する。結果をもとに、各水環境において、水柱(沈降粒子)と堆積物のどちらが主要な酸素消費者となっているのか明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、滋賀県の琵琶湖北湖を主要研究フィールドとして、これに沿岸や外洋の海洋域も併せた水環境において、世界初となる水柱中の酸素消費速度(呼吸速度)観測を実現することを目的としている。2023年度は琵琶湖で計2回の観測を予定通り実施した。加えて、2023年度は西部北太平洋亜寒帯域 (測点K2) や亜熱帯域 (測点S1) と言った外洋域でも同様の観測を実施した。さらに本年度は全試料について粒径別に分画して水柱酸素消費速度を測定した。琵琶湖における水柱酸素消費速度の鉛直分布は前年度と同様に、水深0-20 mの表層水と比べると、水深60 m前後の中層水は低く、水深80-90 mの湖底直上で再度高くことが明らかになった。一方有光下と無光下の比較では、本年度は有意な差が見られなかった。粒径別に分画した結果では、有機態炭素の80%以上を占める溶存態(粒径0.7マイクロメートル未満) の有機態炭素は、酸素消費にはほとんど貢献しておらず、沈降速度が大きく、植物プランクトンの大部分が含まれるL-POM (1.2-150マイクロメートル) が酸素消費の主要担体となっていると考えることで、整合的に説明出来ることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
琵琶湖での観測を予定通り実施した他、外洋の観測を1年前倒しして西部北太平洋海域をフィールドにして2023年度に実施した。さらに2022年度から前倒しで実施した粒径別の観測をルーチン化して本年度も継続して実施しており、整合的な結果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
琵琶湖の観測を予定通り継続する他、西部北太平洋海域をフィールドにして1年前倒しして実施した外洋の観測について結果をまとめる。また2023年度より粒子濃縮と組み合わせた酸素消費速度定量に新しく挑戦しており、基礎実験を継続する。
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