研究課題/領域番号 |
22H00565
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
亀田 知人 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (60333895)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
43,420千円 (直接経費: 33,400千円、間接経費: 10,020千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 23,530千円 (直接経費: 18,100千円、間接経費: 5,430千円)
|
キーワード | 層状複水酸化物 / 二酸化マンガン / 複合体 / 酸性排ガス処理 / 循環利用 / 還元 / 共沈法 / 再水和法 / アニオン交換法 |
研究開始時の研究の概要 |
現在までに、炭酸型Mg-Al系層状複水酸化物(炭酸型Mg-Al LDH)により、HCl、SO2及びNO2を同時処理できることを見出した。MnO2触媒の作用により、NOからNO2への酸化が起こることを見出した。HCl、SO2及びNO2同時処理、MnO2触媒によるNOの酸化反応、排ガス処理後の炭酸型Mg-Al LDHの再生方法、これらの3つの要素技術をうまく組み合わせることにより、廃棄物焼却炉の新規排ガス処理プロセスを実現できると考えた。具体的には、MnO2/炭酸型Mg-Al LDH複合体を合成し、廃棄物焼却排ガス(HCl, SOx, NOx)の同時処理への循環利用を志向する。
|
研究実績の概要 |
層状複水酸化物(LDH)は、ホスト層の2価金属、3価金属の組み合わせが様々であり、多様な組成を取ることが可能である。また、ゲスト層に目的のアニオンを複合し様々な機能を持たせたり、金属を担持したりすることも可能である。当該年度は、Mg-Al LDHにMnO2を複合し、酸化触媒および吸着剤としての機能を持つMnO2/Mg-Al LDHの創製を試みた。 MnO2/Mg-Al LDHはまず前駆体として、過マンガン酸イオン(MnO4-)をLDH層間にインターカレートしたMnO4型Mg-Al LDHを合成し、その後塩化マンガン中で還元することでMnO2/Mg-Al LDHを合成した。MnO4型Mg-Al LDHの合成法は、共沈法、再水和法、アニオン交換法の3つの方法を選択し、生成物の化学組成及び構造を比較検討した。 3つの方法で合成したMnO4型Mg-Al LDHは、すべて層状構造を保持しており、どのLDHもMn元素を含有していたことから、MnO4-が層間にインターカレートされていることが分かった。共沈法によるMnO2/Mg-Al LDHは層状構造を保持していたが、3つの合成方法の中で最もMn含有量が少なかった。再水和法によるMnO2/Mg-Al LDHは、層状構造をよく保持しており、Mn含有量は2番目に多かった。Mn/Al=1.0で合成したアニオン交換法によるMnO2/Mg-Al LDHは、層状構造をよく保持しておりMn含有量は10.4wt%であった。Mn/Al=10で合成したアニオン交換法によるMnO2/Mg-Al LDHは、Mn含有量はもっとも多かったが、層状構造が保持できていなかった。MnO2/Mg-Al LDHに含まれるMn元素はほとんどMnO2の状態であり、ホスト層の電荷は共沈法ではCl-が補償していると考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MnO2/Mg-Al LDHの創製に成功したため。キャラクタリゼーションがやや不十分なため、上から2番目の進捗状況とした。
|
今後の研究の推進方策 |
創製したMnO2/Mg-Al LDHについて、ルイス酸点、ルイス塩基点の定性定量、並びに、粒子径の測定を行う。 また、2023年度の研究実施計画通り、MnO2/Mg-Al LDHによるNO処理の研究を行う。
|