研究課題/領域番号 |
22H00573
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
浅田 元子 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 教授 (10580954)
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研究分担者 |
異島 優 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (00457590)
山田 久嗣 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 准教授 (80512764)
櫻庭 春彦 香川大学, 農学部, 教授 (90205823)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
42,640千円 (直接経費: 32,800千円、間接経費: 9,840千円)
2024年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2023年度: 14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2022年度: 18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
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キーワード | エコリファイナリーシステム / バイオマス / 植物ポリマー / バイオリファイナリー |
研究開始時の研究の概要 |
食料と競合しない第二世代バイオマスを持続可能型に利用するには,未利用植物の中でも現存量の多くを占める木質バイオマスを効果的に分解(脱リグニン)する前処理と,分離成分を利益創出可能な機能性バイオ化成品へ変換するシステムを環境保全型かつ省エネルギー下で構築する必要がある。本研究では全ての課題をブレイクスルーするため,①前処理として水蒸気蒸煮法と深共晶溶媒法の併用を用い,②機能性バイオ化成品として,薬剤担体用セルロースナノファイバー,電子基板材料用エンジニアリングプラスチックを選択する。
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研究実績の概要 |
植物性バイオマス中のセルロースとリグニンを有効利用するために、深部共晶溶媒(DES)処理、分離、アセトン抽出、酵素糖化、グラインダー処理からなるトータル利用システムを開発し、評価した。孟宗竹粉末のDES処理によるヘミセルロースとリグニンの効率的な除去により、セルロースに富む固体残渣を得ることができた。固形残渣中のセルロースの割合は、150℃で3 hのDES処理では75%以上であった。固形残渣を有効利用するために、酵素糖化によるグルコース生産およびグラインダー処理によるリグノセルロースナノファイバーの作製を試みた。DES処理により糖化率とグルコース生成率が大幅に増加し、120℃で6 hのDES処理でそれぞれ75.5%と0.271g-グルコース/g-試料の最大値が得られた。これらの値は未処理バイオマスの約10倍であった。150℃で3 hの固体残渣から得られたリグノセルロースナノファイバーの比引張強度および比弾性率はそれぞれ131 MPa/(g/cm3)および8.88 GPa/(g/cm3)であった。これらの値は、市販のセルロースナノファイバー(BiNFi-s)の110 MPa/(g/cm3)および5.91 GPa/(g/cm3)よりも高くなった。この結果は、DES処理が比較的穏やかな処理であり、高い機械的強度を有するリグノセルロースナノファイバーを得るためにセルロースナノファイバー長を維持したまま脱リグニン化が可能な前処理方法であることを示唆している。また、DES処理後の上澄み液からリグニンを多く含む画分(低分子量のリグニン)が抽出分離され、エポキシ樹脂の原料として用いることができることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
DES処理によって得られたセルロースナノファイバーを原料としたDDSの作製と評価、低分子量リグニンを原料とした電子基板材料用エンジニアリングプラスチックの合成がやや遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
種々の処理時間、処理温度およびDES構成成分割合におけるDES処理によって得られた処理物の物理的・化学的特性を明らかにする。処理物から分離されたセルロース画分を原料としたセルロースナノファイバーを製造する。次に、製造したセルロースナノファイバーを原料としたDDS担体の作製と評価を行う。さらに、処理物から分離された低分子量リグニン画分を原料とした電子基板材料用エンジニアリングプラスチックの合成を行う予定である。
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