研究課題/領域番号 |
22H00577
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
飯泉 仁之直 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (60616613)
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研究分担者 |
酒井 徹 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 社会科学領域, 主任研究員 (40401278)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
19,760千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 4,560千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | コメ収量 / 全球データプロダクト / 衛星リモートセンシング / 作物モデル / 極端気象影響 |
研究開始時の研究の概要 |
気候変動下で深刻化する強雨や洪水といった局所的な災害による食料生産への影響を捉え、減災や適応を進めるためには時間・空間解像度が詳細な作物収量の全球グリッドデータが必要である。本研究ではこれまでに例がない月別・1kmでコメ収量の全球データプロダクトを近年11年間(2010-2020年)について作成し、開発途上国の小規模農家が気候変動に適応するための施策立案を支援する。本データプロダクトは、衛星リモートセンシングから得られる水田分布と植生指数、農業センサスの収量統計、作物モデルの数値シミュレーションにより出力される年間収穫回数と播種・収穫時期、収量といった複数の情報源を合成して作成する。
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研究実績の概要 |
2022年度は多期作地域におけるコメ収量推定手法の開発と試験的な適用を目的とする。多期作地域に適用可能な手法であれば、作期が一つの中緯度地域にも適用が可能である。 まず、世界の主要コメ生産地域であるアジアのうち二期作および三期作地域が行われているベトナム・メコンデルタ地域を対象とした。衛星リモートセンシングにより得られた植生指数(MOD13A1 Version 6.1 EVI、空間解像度500m、時間解像度16日)にSavitzky-Golayフィルターを適用して時系列データを平滑化し、作期ごとにEVIのピーク日(イネの出穂日に相当)を特定した。水田の位置の特定には2005年頃の水田マップ(GRIPC、Salmon et al. 2015 Int. J. Appl. Earth Obs. Geoinf.)を使用した。複数年について年間のEVIピーク日数を数え、その平均値が既存研究(Sakamoto et al. 2006 Remote Sens. Environ.など)で報告されている作期数と概ね対応することを確認した。 上記に加えて、全球作物モデルCYGMAにより、播種日を変えた生育シミュレーションを行い、バイオマス、出穂日、収穫日、収量、生育期間の気温や降水量、日射量、ストレス指標などを出力した。CYGMAに入力条件として与えた播種日のうち、出穂日のシミュレーション結果がEVIピーク日に最も近かった播種日を現実に即しているものとして、それぞれの作期と作物モデル出力を対応付けた。対応付けた作物モデル出力は以降の解析において機械学習モデルの学習データに用いる予定である。 また、推定値との比較のためにコメ統計データをカンボジアの州、ベトナムの郡について収集した。国際稲研究所(IRRI)などで行われた圃場試験データについても収集中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は多期作地域にも適用可能な収量推定手法の開発を目的としている。研究の結果、年間の作期数の特定が可能になった。また、作物モデルのシミュレーションおよびコメ実績値の収集を予定通りに実施したことから順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、それぞれの作期と対応付けた作物モデルの出力値を学習データとして機械学習モデルを構築し、グリッド別の収量を推計する予定である。予備的な解析から、機械学習モデルの学習が上手くいかない場合があることが分かっており、原因究明と対策を検討する。推計値の検証に用いるコメの農業統計データおよび圃場試験データは継続して収集する。
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