研究課題/領域番号 |
22H00639
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
中根 千絵 愛知県立大学, 日本文化学部, 教授 (80326131)
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研究分担者 |
龍澤 彩 金城学院大学, 文学部, 教授 (00342676)
小助川 元太 愛媛大学, 教育学部, 教授 (30353311)
鈴木 彰 立教大学, 文学部, 教授 (40287941)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 文化としての武 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、特に、中世的な〈武〉の実践の時代から近世の平和な時代へ移行する17世紀に焦点をあてて、文化的な〈武〉の在り方を尾張徳川家の尾張藩を核として、毛利家の萩藩(支藩である徳山・岩国・長府毛利家も研究対象とする)、松山藩、宇和島藩(愛媛県の小藩も研究対象とする)の3つの地域の藩を比較対象として調査する。それにより、各藩共通の問題、藩により異なる問題が明確となり、今後の全国の大名家の文物の調査における一つの分析の軸を提供できるものと考えている。
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研究実績の概要 |
愛媛県今治市河野美術館蔵の近世期に作成された平家物語下絵復元について、芸術大学の作画担当者と美学美術史の研究者と軍記物語の研究者の間で、時代、平家物語諸本の表現に即した色合いを検討し、復元をすすめた。 EAJS国際学会の研究発表に向けて小助川元太と龍澤彩との間で17世紀の大名家の合戦図屏風の特徴について議論し、その成果をまとめ、学会に提出した。その結果、2023年8月開催のEAJS国際学会での発表が決定したとの通知を得ることができた。 上記の学会発表のために、馬の博物館にうかがい、屏風と関連のある絵巻を調査すると共に撮影を行った。また、東京国立博物館やボストン美術館等の合戦図屏風や関連の絵巻の画像を入手した。 宇和島市立伊達博物館所蔵の合戦図屏風の調査についての許可をいただき、撮影を行った。こちらは、これまで報告がなされてこなかった狩野派と大名家の関わる合戦図屏風であり、合戦絵を狩野派がどのように手掛けたのかを探るうえでも重要な資料である。そのため、狩野派と大名家の狩野派の関わる合戦図屏風と関連のある絵巻の撮影を徳川美術館に依頼した。 以上のように、今年度は、「文化としての〈武〉」という観点から、中世の〈武〉と関わってきた物語や品物、認識等が、近世的な価値体系の中でどのように再編されていったのかを具体的に明らかにするための資料収集を主として行い、また、これまで、続けてきた平家物語下絵復元について、作画の段階まで到達することができた。その他に国際学会での発表に向けた準備をすすめることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査のできる環境が整いはじめ、所蔵館の許可も新たにおりて、新資料の発掘、調査が進んでいる。また、これまでの成果を国際学会の場で発表できる機会が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
情報収集と成果の社会還元のため、EAJS国際学会での発表を行う。 調査の過程で見出された新出資料・重要資料については、所蔵機関に配慮しつつ翻刻や説明を付したリーフレット等の形で紹介し、成果の社会還元を図る。
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