研究課題/領域番号 |
22H00691
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松澤 克行 東京大学, 史料編纂所, 教授 (40282529)
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研究分担者 |
荒木 裕行 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (70431799)
畑山 周平 東京大学, 史料編纂所, 助教 (30710503)
山本 一夫 東京大学, 史料編纂所, 助教 (40914049)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | 近世史 / 史料学 / 古文書 / 政治史 / 古文書学 / 社会史 / 文化史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、近世前期を主たる対象として、相対的に利用されることの少ない書状に注目し、その政治史的研究と史料学的研究を行う。その際、「島津家文書」(東京大学史料編纂所所蔵)、「近衛家文書」(陽明文庫所蔵)、「広橋家史料」(個人所蔵)等の中にある、群として存在する書状史料に注目し研究し、それらの書状が属する史料群についても考察を及ぼす。 また、「島津家文書」のうち「御文書」をデジタル撮影・公開するほか、書跡研究者が半世紀にわたって個人的に蒐集してきた、戦国時代から17世紀を中心とする武将・公家・僧侶・文化人などの、約1000点にのぼる一大書状コレクションもデジタル撮影し、整理・公開・研究を行う。
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研究実績の概要 |
①令和4(2022)年度は、デジタル撮影による「島津家文書 御文書」(東京大学史料編纂所所蔵)の歴史情報資源化を計画した。「島津家文書 御文書」は、第二番箱(S島津家文書4-1)から第四十八番箱(S島津家文書19-15)までの182巻は、デジタル撮影が行われていなかった。そこで、今年度は、そのうちの近世期のものについてデジタル撮影を行い、歴史情報資源化に向けた作業を行った。具体的には、「御文書 家久公九 巻十四(三十三通)」(S島津家文書5-9)から「御文書御添書(二十一通)」(S島津家文書18-12)までの141巻(4344カット)について、1億5000万画素(400dpi以上)の規格により、高精細デジタル撮影を完了させた。 ②「島津家文書 御文書」と密接な関係のある『旧記雑録』に収録されている文書1908点について、史料研究に向けた目録データ化作業を謝金により行った。 ③「島津家文書 御文書」「近衛家文書」「広橋家史料」などの近世書状史料群のほか、近世の政治史・社会史・文化史などに関連する史料の調査・研究を開始した。その研究成果の一部については、別掲で示した通りである。 ④都城島津邸(令和4年11月16日~18日)、山口県文書館・広島県立文書館(令和4年12月25日~27日)、鳥取県立博物館(令和5年1月25日~27日)に出張し、都城島津家伝来史料・毛利家文庫史料など近世史料の調査を行った。 ⑤令和5(2023)年度、デジタル撮影による史料蒐集と歴史情報資源化事業を行う予定である、個人所蔵文書群、約800点の事前調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4(2022)年度の中心的な課題である「島津家文書 御文書」近世分のデジタル撮影は、申請した研究経費の減額配分があったため、当初予定していた点数より減ってしまったが、計画していた8割ほどの撮影を完了し、歴史情報資源化することができた。 令和5(2023)年度に計画をしている、個人が所蔵する近世書状史料群のデジタル撮影・歴史情報資源化に向けた、事前交渉・調査も進めた。 また、メンバーの研究成果として近世の政治史・社会史に関連する共著2件、論文3件が公刊され、研究報告2件、史料調査3件も行った。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、令和5(2023)年度も書状史料群のデジタル撮影による歴史情報資源化作業と、史料の調査・研究を行う。特に歴史情報資源化作業については、個人のコレクションである近世の書状史料群約800点のデジタル撮影と、目録・釈文の作成作業を進める。また、その他書状史料をはじめとする近世史料の調査と、それらを用いた政治史・社会史・文化史研究も継続して進める。
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