研究課題/領域番号 |
22H00762
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
與倉 豊 九州大学, 経済学研究院, 教授 (70586552)
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研究分担者 |
鎌倉 夏来 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00791831)
近藤 章夫 法政大学, 経済学部, 教授 (60425725)
水野 真彦 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 教授 (80305664)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | イノベーション / エコシステム / 特許 / 産業技術 / 産業集積 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,イノベーション・エコシステムの時空間特性として,ネットワークの共進化過程(時間軸)および地理的な拡がり(空間軸)に着目し,知識経済化が進む現在におけるイノベーション政策の課題を検討することにある.研究内容は以下のように大きく3つに分けられており,(1)イノベーション・エコシステムの歴史的展開の解明,(2)日本のイノベーション政策を対象に,産学官連携の共同研究開発によって構築されるネットワークの時系列変化の可視化,(3)中核的主体(ハブ)やネットワークの空間性の描写により,多様な主体とイノベーションを支える制度環境との関係性を明らかにする.
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研究実績の概要 |
本年度は実証研究とレビュー論文の準備に多くの時間を割いた。実態把握的な実証研究においては、静岡県浜松地域を事例として、制度的な支援体制と組織間関係について検討を進め、イノベーションエコシステムを支える政策形成において、空間的に複層的な政策支援の重要性が示唆された。日本では、かつて地域分散型の産業政策がみられたが、補助金を代表とした国からの支援制度は、空間的なクラスターレベルでも、個別企業でも重要な役割を有していた。特に公的な産業支援機関は、これらの政策的支援や情報を取りまとめるハブとしての機能を有しており、日本の非大都市圏で比較的先駆的な動きとして位置づけることができた。 また本年度の前半は、文献の渉猟を行い、イノベーションエコシステムの研究動向について理解を深めた。特に我が国の先駆的な成果である永田編著(2022)を中心に文献研究を進めることができた。永田(2022)では日本における萌芽的なイノベーション・エコシステムの事例を複数紹介しており、事例分析を踏まえて,イノベーション・エコシステムを構成する要素において,使命感をもってプロジェクトを推進するリーダーの存在が不可欠であると指摘されている.実証研究においてそれら既存研究で指摘されている論点を、分析の俎上に載せためにどのような工夫が必要なのか共同研究者らと議論を始めている。 また定量的な分析においては、特許データを用いた研究の可能性について研究協力者とともに検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本におけるイノベーション・エコシステムの事例として、静岡大学の佐藤正志准教授とともに浜松地域における制度的な支援体制と組織間関係について投稿論文を執筆中である。また研究分担者・研究協力者らとともにイノベーションエコシステムのレビュー論文の準備にとりかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は事例研究と展望論文の作成に注力し、研究分担者らと共同で実態調査を行う。また研究協力者とともに特許データを用いて、具体的にどのような定量的な分析が可能か検討を進める。
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