研究課題/領域番号 |
22H00973
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
佐藤 仁 福岡大学, 人文学部, 教授 (30432701)
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研究分担者 |
田中 光晴 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, フェロー (00583155)
青木 麻衣子 北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (10545627)
高橋 望 群馬大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (10646920)
林 寛平 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (10726376)
島埜内 恵 白鴎大学, 教育学部, 講師 (30805263)
太田 知実 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (50909760)
伊藤 亜希子 福岡大学, 人文学部, 准教授 (70570266)
川口 広美 (前田広美) 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80710839)
菊地 かおり 筑波大学, 人間系, 助教 (40616843)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 多様性 / 教師教育 / 国際比較 |
研究開始時の研究の概要 |
世界各国では、多様性を尊重する社会の構築に向けた教育を推進していくために、「多様性を志向する教師教育」(teacher education for diversity)が議論されている。その特徴は、各国の文脈に基づいた独自の展開にある。本研究では、8ヵ国(アメリカ、イギリス、オーストラリア、韓国、スウェーデン、ドイツ、ニュージーランド、フランス)における多様性を志向する教師教育の実態を研究・政策・実践の観点から分析し、その特徴を解明する。その上で、国際比較分析を行い、世界各国で展開する多様性を志向する教師教育の共通点・差異点を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度は、まず研究対象とする8カ国における「多様性を志向する教師教育」の概略を掴むため、それぞれの国において、分析の対象となり得る政策や実践を探る作業を行った。例えば、「社会正義を志向する教師教育」や「異文化間教育の教師教育」といった多様性を包括的に捉えるような議論や政策が確認できる一方で、移民、難民、先住民、性的マイノリティといった多様性に含まれる個別領域に焦点化する教師教育のあり方の議論も確認できた。こうした分析対象の広がりを前提に、次の作業として「多様性を志向する教師教育」の「多様性」をどのように本研究で位置づけるのかの検討を始めた。その中で、OECDが2023年に発表した報告書「Equity and Inclusion in Education: Finding Strength through Diversity」を参考に、そこで示される多様性の6つの側面を念頭に置きながら、各国の文脈において特に重視される領域を探ることから各国分析を進めることとした。 また、本研究での国際比較分析の結果を日本の状況と関連付けて整理する作業の一環として、日本における多様性を志向する教師教育に関する検討を行った。具体的には、教員養成段階における「人権教育」の位置づけに着目し、その特徴を分析した。その結果、各地域の文脈に基づいた人権教育の展開がみられる一方で、概して人権に関する一般的な知識や理解を求める内容となっており、例えば民主主義や公正、市民性といった観点が希薄である点が明らかになった。日本における「多様性を志向する教師教育」の展開可能性を検討するためにも、今後も各国分析と並行して日本の分析も進めることとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナの影響で十分な現地調査を実施することができなかったが、全体研究会を3回開き、分析の対象や方法に関する共通理解を深めることができた。具体的には、各国における「多様性を志向する教師教育」の相違点を明確化するとともに、その差異がどこから生じるのかといった論点を提示することができた。これにより、今後の現地調査をスムーズに行うことが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、各国の担当者による現地調査を実施し、「多様性を志向する教師教育」の実態把握を行う予定である。また、文献および資料分析を通して得られた知見については、試行的に国際比較を試み、各国の現地調査の共通観点や対象等を明確にする作業を行う。
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