研究課題/領域番号 |
22H01053
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
柴田 隆史 東海大学, 情報理工学部, 教授 (90367136)
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研究分担者 |
板垣 翔大 宮城教育大学, 教育学部, 講師 (20847850)
佐藤 和紀 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (30802988)
堀田 龍也 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50247508)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | ICT / 健康 / 子ども / 視覚疲労 / 近視 / デジタル機器 / 視距離 / 姿勢 / 学習環境 / 学校教育 |
研究開始時の研究の概要 |
児童生徒のデジタル機器利用の増加に伴い、目や肩などの身体疲労や近視の増加が懸念されている。目の疲れと近視の予防には「目を画面に近づけて長時間見ないこと」が重要であるため、本研究では、学習時の視距離と姿勢を測定・記録・分析してフィードバックする「健康管理支援システム」を開発し、児童生徒に対しては健康維持と健康意識の醸成を、教員に対しては健康指導の支援を実現する。また、測定データを効果的に活用するために、結果を短期・長期的(学習時・在学時)にフィードバックする方法を検討する。最終的には、提案システムの学校における有用性と児童生徒の健康意識の醸成への効果を検討する。
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研究実績の概要 |
児童生徒のデジタル機器利用の増加に伴い、目や肩などの身体疲労や近視の増加が懸念されている。また、目の疲れと近視の予防には「目を画面に近づけて長時間見ないこと」が重要とされる。本研究の目的は、児童生徒の視距離や姿勢を測定することで、特にICT端末を用いた学習時における児童生徒の健康を支援し、快適な学習環境を構築することである。 初年度(令和4年度)は、児童生徒の健康面として懸念される視覚疲労や近視に関する国内外の動向調査と、児童生徒の学習時における視距離を測定するためのシステム開発に着手した。視距離測定では、ICT端末のフロントカメラで撮影した学習者の顔画像から両目の特徴点を検出し、画像上の瞳孔間距離の変化から視距離を測定する方法を検討した。学習者の実際の瞳孔間距離は不変であるため、画像上の瞳孔間距離が長ければ視距離は短く、逆に瞳孔間距離が短ければ視距離は長いことが示される。また、AI の骨格検出技術を用いて両目の位置情報を取得し、画像上の瞳孔間距離を算出する方法についても併せて検討した。さらに、教室での実用性と簡便性を考慮した視距離測定として、ICT端末を使っている様子を撮影した写真から精度よく視距離を推定する方法を検討した。写真を基にコンピュータグラフィックス(CG)による三次元空間でICT端末と観察者の顔の位置を再現し、そのCG空間において視距離を測定する方法である。測定値と実際の距離とを比較した精度の検証からは、良好な結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では児童生徒の目の健康を支援するために、端末のフロントカメラから視距離を測定する機能開発が重要となる。当初の予定通り、その基礎となるプログラムの作成が達成された。また、初年度から本研究の成果発表(学会発表や講演)を行っていることなどに加え、研究の全体計画から考えて、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
児童生徒の健康面として特に視覚疲労や近視に着目し、現状の把握と検討を引き続き行う。また、視距離測定の機能については、精度の検証や汎用的に用いるための検討を行う予定である。また、研究期間を通じ、本研究で取り組むシステムの提案とともに、児童生徒自らが健康面に配慮してICTを活用できるリテラシーを身に付ける方法を検討していく。
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