研究課題
基盤研究(B)
強相関電子系においては、温度を下げるとフェルミ面の構造不安定性が生じ、電子状態はより低い対称性をもつ多様な秩序状態に相転移することが多い。その機構解明は凝縮系物理分野において常に中心的な話題となり続けている。相転移機構解明のためには、フェルミ面構造の決定のみならず、相転移の本質となる“秩序変数”を見極めることが重要課題となっている。本研究では、“ランダウ相転移理論に基づく磁気トルク結果解析手法”を確立し、トルク測定が電子状態の対称性や秩序変数の同定のみならず、通常の測定では検出困難な“多極子秩序”さえも観測可能な有力な手法であることを証明する。