研究課題/領域番号 |
22H01406
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
小池 俊輔 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 主任研究開発員 (40547064)
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研究分担者 |
杉岡 洋介 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 研究開発員 (20865604)
半田 太郎 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30284566)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | FLEET / フィラメンテーション / 超音速流れ / 流速計測 / 数密度場計測 / フェムト秒レーザ / 圧縮性流体 / 数密度場 / 流体計測 |
研究開始時の研究の概要 |
圧縮性流れに対して,単一の可視光源と撮像系のみで流体物理量の全ての場(速度場,圧力場,密度場,温度場)を取得できる新たな流体計測法を構築することを目的とする.フェムト秒レーザ光と空気中の窒素分子の干渉で発生する発光「フィラメンテーション」をトレーサとする流速計測法,Femtosecond -Laser Electronic -Excitation Tagging(FLEET)を発展させる.フィラメンテーション発光の減衰時定数と数密度の関係から状態量(圧力,密度,温度)計測法を付加し,さらに,擾乱を抑制したフィラメンテーションの多点発光法を確立し「場」の計測法へ進化させる.
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研究実績の概要 |
初年度である2022年度は,フィラメンテーション発光(フェムト秒レーザと空気中の窒素分子による発光)から状態量を算出する方法と,フィラメンテーションの多点発光を任意に発生させる方法の2点を主な研究対象として活動を行った. 状態量としては,数密度場を対象とした.空気中で発生させたフィラメンテーション発光に対して,その発光減衰の履歴を計測した.光学フィルタによる波長の選定,発光減衰曲線のフィッティング方法,特徴時定数等を調査し,数密度と特徴時定数との関係から校正曲線を得た.3条件の不足膨張噴流の数密度場計測を実施し,ピトー管計測及びピトー管計測により校正した数値流体解析結果との比較を行った.その結果,本手法が,特に低数密度場において感度特性が良く,計測精度が高いことを確認した. 多点発光を任意に発生させる方法については,光学素子の選定および手配を年度前半に行った.その後,回折格子を使用する方法にて,複数点,具体的には目視確認で4点のフィラメンテーションを同時に空気中に発生させることに成功した.本結果は,同時に複数点の流速値が計測可能となることを示しており,瞬時速度場計測に向けた重要な成果である. その他,2023年度以降の実験のために,旋回噴射器の設計・製作を行った.旋回噴射器は,円筒部に接線方向に気流を導入することにより旋回を生じさせるタイプを選定した. フィラメンテーションの発生する擾乱の影響調査のために,シャドーグラフ法及びシュリーレン法による可視化手法の構築も行った.限られた条件ではあるが,擾乱場を可視化することに成功し,今後フィラメンテーションが流れ場に与える影響を調べるための基礎データを獲得できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度については,申請時の研究計画通り研究を遂行することができた.また,次年度に向けた基礎的な試験もいくつか実施できており,概ね順調である.ただし,多点発光を形成する方式については,レーザ強度の問題から,ある程度,点数に限界があり,当初計画に無い方法も含めて検討を行っている.
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今後の研究の推進方策 |
申請時の方針通り,FY2023は,フェムト秒レーザによるフィラメンテーションの起こす擾乱の流体計測に及ぼす影響調査を主に行う.また,多点発光による流速場計測も試みる. FY2024の活動に向けて,供試体の準備もあわせて進め,供試体から噴射される噴流場の基礎特性の把握も行う.旋回等について不足が見受けられる場合は,追加での小改修も検討する.
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