研究課題/領域番号 |
22H01431
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石川 諭 九州大学, 工学研究院, 准教授 (60612124)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
|
キーワード | 発声障害 / 声帯振動 / 嗄声 / 自励振動 / 構造・流体連成解析 / 声帯の伸長 / 声帯伸長 |
研究開始時の研究の概要 |
人が声を出すときの声帯の振動を解析することは,声帯ポリープや声帯結節,喉頭がんなどの発声障害による声の変化のメカニズムを把握するうえで重要である.しかし,既存の声帯振動解析では,喉の軟骨の回転による声帯の伸長を考慮できていないことや発声障害の病変のモデル化手法が確立されていない課題がある.本研究では,声帯の伸長を考慮できる解析モデルを開発し,発声障害の様々な症状のモデル化手法を確立する.さらに,声帯伸長のさせ方(喉の筋肉の使い方)と発声障害の発症しやすさ(衝突力が強いと発症しやすい)の関係を推定することや,病変による声帯振動変化のメカニズムを解明することで,咽喉医療に有益な知見を得る.
|
研究実績の概要 |
本研究課題では,声帯の伸長を考慮できる解析モデルを開発して,声帯伸長のさせ方(喉の筋肉の使い方)と声帯ポリープ,声帯結節の発症しやすさ(衝突力が強いと発症しやすい)の関係を推定することや,病変による声帯振動変化のメカニズムを解明することで,咽喉医療に有益な知見を提供することを目的としている. この目的を達成するため,2022年度は,声帯の伸長は考慮しない3次元解析モデルの開発を実施した.研究代表者らはこれまで,2次元の発声解析モデルを作成してきたが,声帯の伸長や発声障害を考慮する場合には3次元モデルが必要になるため,2次元モデルを3次元モデルに拡張した.3次元有限要素法により声帯の固有モードを算出し,モード解析による振動解析と1次元声門流体解析を連成させ,計算負荷の小さい3次元声帯振動解析モデルを考案した.解析方法を考案し,プログラムは作成したものの,自励振動が発生しない等の問題があり,問題点をまとめて早急に解決する予定である. さらに,伸長を考慮した人工声帯振動実験装置の製作を実施した.上述の3次元解析モデルの妥当性を確認するために,声帯の伸長を考慮した人工声帯の実験装置を設計した.実際のヒトの喉を模擬し,披裂軟骨の回転と壁面(甲状軟骨)の回転によって声帯の伸長を可能にする.声帯はシリコーンゴムで製作し,実際の声帯を模して柔らかいCover層と硬いBody層の2層構造にする.エアーコンプレッサにより空気を流し,声帯が自励振動する.設計はほぼ終了し,今後実験装置を製作する予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は,3次元有限要素法により声帯の固有モードを算出し,モード解析による振動解析と1次元声門流体解析を連成させ,計算負荷の小さい3次元声帯振動解析モデルを考案した.ただし,プログラムは作成したものの,自励振動が発生しない等の問題があり,解析手法はまだ完成していない.さらに,この3次元解析モデルの妥当性を確認するために,声帯の伸長を考慮した人工声帯の実験装置を設計したが,これから実験装置を製作する予定である. よって,進捗状況は「やや遅れている」としているが,2023年度において十分に挽回可能である.
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は当初の計画と変更はない.2022年度の内容で遅れている3次元声帯振動解析モデルの問題点を把握しながら早急に完成させる.また,実験装置の方も,設計はほぼ終了しているので,大学内の技術部に依頼し早急に実験装置を製作してもらう. その後は当初の計画通り,声帯の伸長を考慮した声帯振動解析モデルの開発と伸長の影響把握と声帯の伸長を考慮した人工声帯振動実験を2023年度内に実施する.
|