研究課題/領域番号 |
22H01608
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
平田 輝満 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (80450766)
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研究分担者 |
武市 昇 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (90371153)
原田 明徳 高知工科大学, システム工学群, 准教授 (70785112)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 航空交通システム / デジタルツイン / 軌道予測 / CO2削減 / 耐災害性 / 飛行経路 / 軌道最適化 / インシデント対応 |
研究開始時の研究の概要 |
航空交通システム(ATS)のデジタルツイン(DT)技術の概念設計を行い,現状システムとの関連性・課題を整理する.設計したDT技術概念の具体的な活用方法として,「環境性(CO2削減)」と「耐災害性」の向上方策を検討し,効果分析を行う.特に,DT概念の中で継続的なモニタリングとリアルタイム予測シミュレーションの活用イメージを持ちつつ,「ゆっくり到着管理」という環境優先時代におけるCO2削減方策,それを達成するための制度設計,突発的インシデントに対するリカバリー管制方法の効果について分析を行う.これらの一連の検討から得られたDT概念と活用例をATSの統合的分析評価システムとして活用する方法を提示する.
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研究実績の概要 |
本研究では航空交通システム(ATS)からのCO2排出削減を主とした環境性向上と災害等のインシデントに対する耐災害性向上を目的とし,今年度はまず,我が国の航空交通システムにおける新たなデジタル化方策の最新状況を把握および意見交換し,航空機運航に関わる管制システムや空港インフラなどのエアサイド,ターミナルビルなどのランドサイドにおける情報共有と運用への活用の面で課題抽出を行った. 次にATSからのCO2排出量の実績と削減ポテンシャルの推計に関して,飛行軌跡データから国内航空ネットワークにおけるCO2排出削減ポテンシャルを飛行経路短縮の視点から簡易に推計をし,現実の空域・経路制約におけるポテンシャルと制約なしの最大ポテンシャルについて定量的に把握した.また,気象データと機体性能モデル等を統合利用し,実際の飛行軌跡から各便の燃料消費量とCO2排出量を推計し,軌道最適化等の面からその削減ポテンシャルの推計方法を検討し,代表的な路線において東西風などの風況の面からCO2削減と所要時間増加のトレードオフ関係について分析し,社会的な許容可能性について考察を行った.また,各路線での輸送旅客需要を前提にCO2最小化のための機材便数選択の最適化を行い,航空市場面からのCO2排出削減ポテンシャルについても推計を行った. また,戦略的な航空交通流管理としてのゆっくり到着管理の運用概念や基礎的なモデルフレームワークについて検討,開発を行い,モデル性能について初期的な検証を行った. 災害インシデントに対しては大規模噴火時等における航空機避難問題の現状と課題を整理し,国内空港の駐機容量面についてシミュレーション分析を行い,駐機方法の柔軟化の効果,需給の過不足について把握,また被災地での情報提供・情報収集についても検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
DTシステムのレビューと設計概念の調査に遅れはあるが全体としては概ね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
分担者間の連携や実務の関係機関との連携を深め,より実効性のあるモデル開発等を効率的に行う.
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