研究課題/領域番号 |
22H01767
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山本 隆文 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (80650639)
|
研究分担者 |
松井 直喜 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (60881878)
池澤 篤憲 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (80824953)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
|
キーワード | ペロブスカイト / アニオン欠損 / 電気磁気特性 / 電気化学特性 / 配位環境 / 電気磁気物性 / 電気化学 / ペロブスカイト酸化物 |
研究開始時の研究の概要 |
ペロブスカイト酸化物ABO3にアニオン欠損が導入されることによって、金属の価数が変化し、それによって超伝導や磁気抵抗、イオン伝導など様々な現象を誘起する起源となる。本研究では特異な(111)p 欠損面を持つペロブスカイト化合物を設計し、層状構造に由来する特異な電気磁気特性や、欠損を利用したイオン伝導などを有する新規物質を探索する。
|
研究実績の概要 |
アニオン欠損を酸化物に導入することは電気伝導性や磁性などの物性の変化をもたらし、またイオン伝導性や触媒活性といった様々な機能性の獲得をもたらす。アニオン欠損の研究は特にペロブスカイト酸化物ABO3 (A,Bは金属イオン)において盛んに行われている。本研究では、八面体を好む金属と四面体を好む金属を合理的に組み合わせることでアニオン欠損構造を持つペロブスカイト物質の合成と新規物質探索を行うことを目的とする。特に、これまで開拓があまり進んでいない、(111)p面欠損を持つペロブスカイトに特に注目して、新規物質の合成や物性開拓を進めている。R4年度は、(111)p面欠損を持つ新規酸素欠損ペロブスカイト酸化物SrV0.3Fe0.7O2.8をInorganic Chemstry誌に報告した。物性測定の結果、この物質は室温で負の磁気抵抗効果を示すことが分かり、その大きさは既存の鉄酸化物で最大の値を示すものに匹敵する値であった。現在この物質の低温物性の検討や、元素置換を行っており、磁気抵抗効果の増大が期待できる。さらに様々な金属組成の組み合わせて新規物質の合成に取り組んでおり、今後のさらなる進展が期待できると考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
R4年度はアニオン秩序欠損型の新規ペロブスカイト酸化物の合成とその物性報告の論文をInorganic Chemistry誌に出版できており、着実な成果を上げているといえる。また論文で報告したSrV0.3Fe0.7O2.8の低温での物性や、元素置換による研究の検討も順調に進めることができており、順調に進展しているといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
SrV0.3Fe0.7O2.8の低温での物性や、元素置換による研究のデータを取得し、論文執筆や投稿を進める。また様々な金属組成の組み合わせて新規物質の合成に取り組み、さらなる物質系の開拓、電気化学測定なども進めていく。
|