研究課題/領域番号 |
22H01824
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
菊地 竜也 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (60374584)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | 陽極酸化 / アルミニウム / アルマイト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アルミニウムを塩基性電解質水溶液に浸漬して陽極酸化(アノード酸化)することにより、革新的なナノ構造や化学的耐食性をもつ不動態皮膜:アルマイトの作製を目指します。陽極酸化における電気化学的な挙動および得られた不動態皮膜のナノ構造を深く理解し、この知見をもとに耐食性に優れたアルマイト形成アルミニウム材料の創製に挑みます。
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研究実績の概要 |
本年度の研究においては、さまざまなpHをもつリン酸系電解質水溶液中(リン酸および各種リン酸塩水溶液)にアルミニウムを浸漬して陽極酸化を行った際、どのようなアルマイトが生成するのか、特に塩基性領域に着目して基礎的な研究を遂行した。pHが酸性のリン酸系水溶液を用いてアルミニウムを陽極酸化した場合、従来の酸性電解質水溶液(硫酸やシュウ酸)と同様、ナノスケールの細孔と半球状のバリヤー層からなる典型的なアルマイトが生成した。pHが中性付近でも、従来の陽極酸化挙動と同様、緻密なバリヤー皮膜が生成したが、高温・長時間の陽極酸化では、バリヤー皮膜表面にわずかな細孔が生成した。これに対して、塩基性電解質を用いて陽極酸化した場合には、極めて平滑な底部バリヤー層が生成したり、細孔内壁に無数の凹凸形状をもつ、従来のナノ構造とは異なるアルマイトが得られた。得られたアルマイトをウルトラミクロトームや高速電解剥離法によって薄片化したのち、高分解能電子顕微鏡観察および組成分析を行うと、アルマイトのアルミナ中には不純物の電解質アニオンがほとんど含まれていないことがわかった。この結果は、生成したアルマイトが高い耐食性をもつことを予期させる。通常の陽極酸化では、電圧の低下とともに電流密度は大きく減少するためアルマイトの成長速度は低下するが、塩基性電解質水溶液を用いた場合には電流密度があまり低下せず、低い電圧の陽極酸化によってもアルマイトの高速成長を誘起できる可能性が示唆された。以上の研究結果より、塩基性電解質水溶液を用いたアルミニウムの陽極酸化は、効率良く高い耐食性をもつ不動体皮膜として応用できる可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
より耐食性に優れた陽極酸化皮膜を設計するための基礎研究が順調に進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究により、リン酸系塩基性電解質水溶液を用いたアルミニウムの陽極酸化により、従来とは異なるユニークなナノ構造や組成をもつアルマイトを形成できることが明らかになった。次年度以降は、この研究成果をさらに発展させ、塩基性電解質水溶液を用いた陽極酸化におけるアルマイトのナノ構造変化の詳細を明らかにするとともに、ナノ構造を設計するための最適条件を探索し、高い耐食性をもつアルマイトの新規開発へと発展させたい。
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