研究課題/領域番号 |
22H02170
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
稲田 幹 九州大学, 中央分析センター(筑紫地区), 准教授 (40624979)
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研究分担者 |
本郷 研太 北陸先端科学技術大学院大学, 情報社会基盤研究センター, 准教授 (60405040)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | 水酸基化学 / 準安定結晶 / オストワルド段階則 / 構造安定性の計算 / 特異結晶 / 高温XRD |
研究開始時の研究の概要 |
過剰な水酸基(OH基)を含む特異結晶の創製のため、系として安定にOHを含む準安定相を析出させ、水酸基化学に根差した結晶制御を目指す。しばしば結晶内の嫌われ者として扱われるOHを準安定結晶形成・安定化のための重要な要素として捉える発想は申請者独自のものである。本研究では、実績のあるBaTiO3のCa系、Sr系への展開、12CaO・7Al2O3(C12A7)の前駆体であるハイドロガーネット合成と熱分解を通して、準安定な酸水酸化物と安定な酸化物の生成条件の違いを見出し、溶液中、固体中におけるOHの化学的挙動を理解する。準安定相を得るための系の設計指針を確立し、水酸基化学という新規学術分野へ展開する。
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研究実績の概要 |
本研究では、(I)溶液中ならびに(II)固体中のOHを制御することで、 (A)ペロブスカイトMTiO3(M=Ba, Ca, Sr)の水熱合成、(B)ハイドロガーネットM3A6H(M=Ca, Sr)の液相合成と熱分解によるM12A7マイエナイト結晶合成を達成し、(III)準安定相を得るための設計指針を確立する。 本年度は、溶液中のOH制御によりMTiO3、M3A6Hの合成と構造評価を行い、生成物に対する溶液中のOH、陽イオンの影響について検討を行った。また、固体中のOH変化を確認するため高温XRDによりマイエナイト結晶析出挙動を調査した。 Ba-Sr比を変化させてMTiO3合成を行ったが、現在までにSrの存在下で特異結晶は確認できなかった。SrはBaよりもOHに対して敏感な挙動を示す傾向が見られた。一方、M3A6Hについては、Ca-Sr比を変化させた全ての条件においてSrコア-Caシェル型のハイドロガーネット粒子が得られ、本系においてもSrがBaよりもOH応答が敏感な傾向が示唆された。これらのことから、今後はpHタイトレータ付き粒度分布計を用いて陽イオンとOHとの関係について調査する必要があると考えている。高温XRD測定を行ったところ、OHの脱離に伴って結晶壊れ(ピーク強度の低下)ることが確認され、OHが結晶を構成する重要な因子であることが示唆された。今後、本年度導入した水蒸気発生ユニットを用いて水蒸気雰囲気制御下での高温XRDを行い、OHの影響を調査する。 さらに、分担者との協働により、マイエナイトにおける結晶の安定性を計算した。ハイドロガーネットからのマイエナイト結晶化に際し、Ca系に比べてSr系は反応が進みにくいという知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MTiO3系の進みがやや遅いものの、M3A6H系が予想以上に進展しており、全体として概ね順調と考える。
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今後の研究の推進方策 |
合成については問題なく行えるようになったため、分析機器を使った構造解析と計算科学による構造安定性計算を行い、議論を進める予定である。
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