研究課題/領域番号 |
22H02516
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
大森 啓太郎 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20466915)
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研究分担者 |
近藤 広孝 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (20806103)
永岡 謙太郎 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60376564)
MURZABAEV Marsel アニコム先進医療研究所株式会社(研究開発課), 研究開発課, 研究員 (40898904)
島 綾香 アニコム先進医療研究所株式会社(研究開発課), 研究開発課, 研究員 (00813859)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 慢性腸症 / 犬 / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腸症の犬では、腸内細菌叢の乱れ(ディスバイオーシス)が病態形成や臨床症状の発現に関与していると考えられる。慢性腸症の犬は痒みや皮膚炎を呈することがあり、皮膚でもディスバイオーシスが形成されている可能性が高い。犬はその動物学的特性により、痒い部位や皮膚病変を舐めたり噛んだりすることから、皮膚細菌叢が消化管内に取り込まれ、これが腸内細菌叢に作用し、犬特有の「皮膚腸相関」が形成されていると推察される。本研究では、慢性腸症の犬における皮膚腸相関の存在と病態形成における意義を、ノトバイオートマウスを用いて実験病理学的に解明し、新たな治療標的としての有用性を評価する。
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研究実績の概要 |
研究初年度は、消化器症状を主症状とする慢性腸症の犬において、皮膚病変の臨床的評価を行った。その結果、慢性腸症を構成する食事反応性腸症、抗菌薬反応性腸症、免疫抑制薬反応性腸症、治療抵抗性腸症において、痒みおよび皮膚病変を呈する症例の割合やその程度に違いが認められることが明らかになった。これらの結果から、犬の慢性腸症を構成する各疾患には、痒みおよび皮膚病変の発現に及ぼす異なる病態が存在することが示唆された。次に、慢性腸症の犬における皮膚細菌叢を解析するため、細菌叢を採取する皮膚の部位および手技を確立した。この方法を用いて、痒みおよび皮膚病変を呈する慢性腸症の犬と、これらを呈していない慢性腸症の犬から皮膚細菌叢検体を収集したのとともに、皮膚腸相関を解析するための糞便検体も同時に採取した。さらに、ノトバイオートマウスを用いた皮膚腸相関の実験病理学的解析を行うため、無菌マウスを飼育するためのシステムを確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度は、主に慢性腸症の犬の解析を行い、次年度に向けて無菌マウスを用いた実験系の準備を行った。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目は、慢性腸症の犬における皮膚および腸内細菌叢を解析し、臨床症状の発現に及ぼすディスバイオーシスの役割について解析する。さらに、無菌マウスに慢性腸症の犬の腸内細菌叢を定着させたノトバイオートマウスを用いて、皮膚・腸相関を実験病理学的に解析する。
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