研究課題/領域番号 |
22H02532
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
永松 剛 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (70453545)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 原始卵胞 / 物理ストレス / 活性化 / 圧力刺激 / リン酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
幹細胞を持たない卵母細胞系列は卵巣内に未熟なまま休止した原始卵胞として貯えられ、それらの一部が成熟することにより継続的な卵子の産生を実現している。原始卵胞の枯渇は生殖能力の喪失を意味しており、原始卵胞の休止と成熟開始のバランスは雌の生殖能力を決定する上で極めて重要であるが、そのバランスを制御するメカニズムは不明な点が多い。本研究は卵巣組織における環境要因という新しい視点からこのバランスを決定するメカニズムに迫る。具体的には申請者のこれまでの研究に基づいて導き出した卵巣内の物理的ストレス(圧縮)が原始卵胞の休止に寄与するという知見のもと、卵母細胞における圧縮の定量と作用点を明らかにする。
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研究実績の概要 |
これまでに圧縮に反応して転写因子FOXO3が卵母細胞内で局在を変化させていることを見出していた。FOXO3はリン酸化されることにより核内から細胞質へと移行することが知られていることから、圧縮圧力は卵母細胞内でFOXO3がリン酸化される過程で何らかの生化学的な干渉をしていると考えられる。卵母細胞におけるFOXO3のリン酸化は顆粒膜細胞で産生されるSCFに卵母細胞の膜受容体のcKitが反応し、下流のPI3K-AKTによるリン酸化カスケードによりもたらされる。そこで、まずそれらのシグナル経路に関してリガンドや阻害剤を用いて圧縮圧力への反応性の違いとして作用点の限定を試みた。具体的には圧力培養条件下でFOXO3の局在を指標にしてSCFとその阻害(ACK2)、PI3K阻害剤(Ly294002)、PTEN阻害剤(bpV)の作用を検討した。その結果SCFによるFOXO3の核外移行の作用は圧力によって抑制できるもののPTEN阻害剤によるFOXO3の核外移行の作用は圧力によって抑制できないことが明らかとなった。次にcKitのPI3Kの結合部位でありFOXO3のリン酸化に重要な719番目のチロシン残基リン酸化についてウエスタンブロットによって解析したところSCFによって誘導される719番目のチロシン残基リン酸化は圧力によって抑制されることが明らかとなった。このように圧力によってcKitのリン酸化が調節されていることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
圧力の作用点についてcKitのリン酸化制御であることを明らかにしたものの、ライブイメージングの構築により卵母細胞の反応をリアルタイムで観察することはできていない。また、生体内において圧力値を測定する為のFC-70やTension Sensorについても構築中である。
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今後の研究の推進方策 |
卵母細胞が圧力に反応する様をリアルタイムで観察するのみならず生体内の圧力値を測定する為のTension sensorのキャリブレーションにも必要な為、本年度は加圧ライブイメージングの構築を集中的に行う。さらにライブイメージングの活用により圧力により調節されるcKitのリン酸化のメカニズムにもアプローチする。
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