研究課題/領域番号 |
22H02595
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設) |
研究代表者 |
岡崎 圭一 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 計算科学研究センター, 准教授 (50792529)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 細胞膜変形分子マシン / 分子シミュレーション / ダイナミン / 粗視化モデル / 構造変化 / 生体分子マシン / 細胞膜 / GTP |
研究開始時の研究の概要 |
細胞膜変形分子マシンは、GTP加水分解エネルギーを用いて細胞膜変形・切断・融合という力学的仕事を行う。例えば、細胞膜切断を行うダイナミンは、多量体形成とヌクレオチド状態依存的な構造変化を動的に組み合わせて膜変形を行っていることが示唆されているが、詳細な動作メカニズムはよく分かっていない。本研究では、GTP加水分解による構造変化と多量体構造の再配置がどのように力発生につながるのかを、粗視化分子動力学シミュレーションにより解明する。さらに、ダイナミン・スーパーファミリーで膜融合という逆の機能を持つタンパク質にも注目をし、多様な機能が発現する分子基盤の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、GTP加水分解エネルギーを用いて細胞膜変形・切断・融合という力学的仕事をする細胞膜変形分子マシンが、いかにして多量体形成とヌクレオチド状態依存的な構造変化を動的に組み合わせて膜変形を行っているかを粗視化分子動力学シミュレーションにより解明するのが目的である。初年度である今年度は、まず、クライオ電子顕微鏡(電顕)データに基づいてダイナミン多量体構造のモデリングを行った。クライオ電顕による高分解能構造は存在するが、原子構造としては一部しかデータベースに登録されていないため、電顕マップに基づいてダイナミン多量体の原子構造をモデリングした。そして、粗視化分子モデルMARTINIを用いて、チューブ状細胞膜(脂質二重膜)を作成後、膜上にダイナミン多量体を配置したシミュレーション系をセットアップした。ここで、GTP分子やMgイオンといったMARTINIモデルでは必ずしも標準的でない小分子・二価イオンも明示的に入ったモデルを構築することができた。このシミュレーション系は、粗視化モデルとはいえ(粗視化された)水分子も明示的に入ったモデルのため50万粒子数以上の大規模系であるが、分子動力学計算を行なってダイナミン中のPHドメインが膜へ結合する様子を確認できた。さらに、チューブ状細胞膜切断に最小限必要なダイナミン多量体構造を同定するため、ダイナミン・モノマー数やGドメイン界面数を変えた様々な部分系のシミュレーションを行い、その安定性を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ダイナミン多量体・チューブ状細胞膜系のシミュレーションはあまり先行研究がなく、多少時間はかかったがシミュレーション系をセットアップできたので、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ヌクレオチド状態依存的な構造変化のシミュレーションを行い、それがどのように脂質膜切断につながるのかを明らかにしたい。まず、現在用いているGTP状態open構造から加水分解後のclosed構造をモデリングする。その後、実際に構造変化のシミュレーションを行い、多量体構造の再配置や、脂質膜の狭窄につながるかを観察する。これにより、ダイナミンの構造変化がどのような多量体構造の変化を引き起こすのか、それが段階的に起こるのかそれとも協同的に起こるのか等を明らかにする。さらに、脂質膜の狭窄に、どの程度のダイナミン多量体構造が必要になるのか、最小限必要な多量体構造を明らかにする。構造変化のシミュレーションには、まずスイッチング・ポテンシャル法を試す。その結果次第で、方法・モデルの改良を行なっていく。
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