研究課題/領域番号 |
22H02771
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小坂田 文隆 名古屋大学, 創薬科学研究科, 准教授 (60455334)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | オルガノイド / アセンブロイド / パターニング / 領域間相互作用 / CRISPR-Cas9 / ゲノム編集 / 構成論的アプローチ / 前頭葉 / 視床 / 透明化 / CRISPR/Cas9 |
研究開始時の研究の概要 |
創薬開発において神経・精神疾患分野で新薬が承認される確率は極めて低い。その原因として、統合失調症などの精神疾患では、ヒト高次脳機能を担う前頭葉に機能異常が認められるにも関わらず、ヒト前頭葉の機能を模した評価系がないことが挙げられる。この問題点を解決するために、本研究では、ヒト多能性幹細胞由来の前頭葉オルガノイドを用いてヒト前頭葉機能をin vitroで再現する。さらに、in vitroヒト前頭葉病態モデルを作製し、分子・回路病態および薬理作用の解析を通じて新たな創薬戦略を創出する。
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研究実績の概要 |
創薬開発において神経・精神疾患分野で新薬が承認される確率は極めて低い。その原因として、統合失調症などの精神疾患では、ヒト高次脳機能を担う前頭葉に機能異常が認められるにも関わらず、ヒト前頭葉の機能を模した評価系がないことが挙げられる。この問題点を解決するために、本研究では、ヒト多能性幹細胞(iPS細胞)から前頭葉オルガノイドと異なる脳領域オルガノイドを誘導し、それらを融合させることで前頭葉アセンブロイドを作製し、領域間相互作用をin vitroで再構成し、ヒト前頭葉機能をin vitroで再現することを目指す。 まずヒト脳における大脳皮質と視床の相互作用を再構成するために、ヒトiPS細胞より大脳皮質オルガノイドと視床オルガノイドの誘導を試みた。単一細胞にばらしたヒトiPS細胞をv-bottom well plateに播種し、細胞塊を形成させた。細胞塊に、大脳皮質の発生と視床の発生に必要な因子を適切なタイミングで適切な濃度で段階的に処置した。形成したオルガノイドにける脳領域特異的なマーカーの発現はqPCRにより評価し、オルガノイドの構造は切片を作製し、細胞種、細胞形態、層構造を各種マーカータンパク質に対する免疫染色により評価した。その結果、大脳皮質オルガノイドは、特異的なマーカーを発現し、極性を有する層構造を形成した。視床オルガノイドは、大脳皮質オルガノイドとは異なる構造を形成し、視床特異的なマーカーを発現していた。次いで、アセンブロイド内の領域間相互作用を明らかにするために、緑色蛍光タンパク質のEYFPあるいは赤色蛍光タンパク質のmCherryをKnock-inしたヒトiPS細胞株を樹立した。ヒトiPS細胞をCRISPR/Cas9システムを用いて高効率かつ低毒性にゲノム編集を行うために、プラスミドの導入方法や細胞のセレクション方法などの条件検討を行い、最適化を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト脳の領域間相互作用をin vitroで再構築するために、ヒトiPS細胞から大脳皮質オルガノイドと視床オルガノイド、さらにはアセンブロイドの作製に成功し、組織学的な解析が進んでいることから、順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、アセンブロイド内の軸索投射やシナプス形成、神経活動などの評価を進める予定である。
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