研究課題/領域番号 |
22H02802
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
三枝 理博 金沢大学, 医学系, 教授 (20296552)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
|
キーワード | 概日リズム / 視交叉上核 / 体内時計 / 睡眠 / 遺伝子改変マウス |
研究開始時の研究の概要 |
中枢概日時計・視交叉上核(SCN)神経ネットワークの動作原理は不明な点が多い。応募者らはこれまで、バソプレシン産生ニューロンの重要性を明らかにしてきた。本研究ではこれまでの研究で得たモデルマウスに、様々な生体内神経活動計測・操作法を適用する。このアプローチにより、中枢時計神経ネットワークが構成細胞を統合し概日リズムを発振・発信するメカニズムの理解を目指す。特定のSCNニューロンの操作により中枢時計を整調する技術など、概日リズム変調に関連する疾患・健康障害への効果的な対処法の発明につながる。
|
研究実績の概要 |
中枢概日時計・視交叉上核(SCN)神経ネットワークの動作原理は不明な点が多い。応募者らはこれまで、バソプレシン産生ニューロンの重要性を明らかにしてきた。本研究ではこれまでの研究で得たモデルマウスに、様々な生体内神経活動計測・操作法を適用することにより、中枢時計神経ネットワークが構成細胞を統合し概日リズムを発振・発信するメカニズムの理解を目指す。 本年度は、概日リズム周期が延長するAVPニューロン特異的CK1δ欠損マウスにおいて、SCN AVPニューロン、VIPニューロンそれぞれの細胞内Caリズムを行動リズムと同時に計測し、CK1δを保持しているVIPニューロンにおいても、Caリズムに行動リズム周期と同等の周期延長が観察された。また、AVP、VIP両ニューロンのCaリズムの位相関係は、AVPニューロン特異的CK1δ欠損マウスにおいてもコントロールマウスと同様に維持されており、AVPニューロンがVIPニューロンを同調させる能力があることを示した。それ以前のデータと併せ、SCN AVPニューロンがSCNの主要なペースセッター細胞として機能すると結論した。既に論文にまとめて投稿し、査読を経て、現在改訂版投稿の準備を進めている。 AVPニューロン特異的Vgat欠損マウスでは、行動リズムの活動期が2峰性に分割する。当該マウスのSCN AVPニューロンにおけるCaリズムはコントロールマウスと差がないことを以前示したが、VIPニューロンのCaリズムは、行動リズムの分割と相関して、高Caの時間帯が短縮することが明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
AVPニューロン特異的CK1δ欠損マウスの解析が一通り終了し、論文投稿・査読・改訂の手続きに進んでいる。他のモデルマウスの解析についても、着実に新たな興味深いデータが得られつつある。
|
今後の研究の推進方策 |
AVPニューロン特異的CK1δ欠損マウスについては、AVPニューロンの細胞時計周期を他のニューロンに伝達する分子メカニズムを引き続き検討する。また、GABAを介したAVP・VIPニューロン間のコミュニケーションや、SCN AVPニューロンにおけるNalcnチャネルの機能等について、計画通り解析を進める。
|