研究課題/領域番号 |
22H02867
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
久堀 智子 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20397657)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | ユビキチン / レジオネラ / オルガネラ / エフェクター / ユビキチンリガーゼ / 細菌感染 / 液胞 / ミトコンドリア |
研究開始時の研究の概要 |
病原細菌は宿主真核細胞のユビキチン系に働きかけ細胞内の様々なシステムを改変することで感染に有利な環境を作り出す。数多くのユビキチンリガーゼや脱ユビキチン化酵素を保有する病原細菌レジオネラをモデルシステムとし、ユビキチンを介していかに細胞内のオルガネラ膜動態を制御し増殖のニッチを形成するかのメカニズムを明らかにする。特に、レジオネラ固有のユビキチンリガーゼが担う、標的タンパク質のユビキチン修飾によって小胞体とミトコンドリアが接触する部位における膜の動態を制御する機構に焦点を置く。レジオネラが時間空間的な多重制御によって実現する細胞内増殖戦略の一端を解き明かすことを目的とする。
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研究実績の概要 |
病原細菌レジオネラは感染宿主細胞の膜輸送系を操作し、増殖のニッチとなる固有の液胞を構築する。このプロセスは細胞小器官の膜動態に関わる様々な宿主タンパク質を制御することによって達成され、レジオネラが持つ多くのエフェクタータンパク質による翻訳後修飾が重要な役割を担う。本研究課題では特にレジオネラエフェクターの持つユビキチン (Ub)修飾活性に着目し、その活性に対する多重な制御を含めたレジオネラの戦略を解き明かすことを目指す。本年度は、宿主 Rab GTPase 群の中で、近年レジオネラの細胞内増殖に寄与することが報告された Rab10 に着目した解析を行った。レジオネラが保有する様々なユビキチンリガーゼの活性が Rab10 に与える影響を解析し、以下の結果を得た。 1)レジオネラの持つノンカノニカルなユビキチンリガーゼである SidE ファミリータンパク質が Rab10 を phosphoribosyl(PR)-Ub 化 することを見出した。 2)PR-Ub 化された Rab10はさらに レジオネラ固有のユビキチンリガーゼファミリー (SidC, SdcA, SdcB) 依存的にポリユビキチン化された。 3)SdcB は感染後期にレジオネラ液胞に局在し、液胞へのユビキチン集積を担うことが示された。 これらの結果から、多様なユビキチンリガーゼが協調的に働き、時間空間的な活性制御を受けて Rab10 が関与するレジオネラ液胞の成熟化を担うというモデルを構築し、その検証を行っている。さらにこれらのエフェクターのうち SdcB に作用する上流のエフェクター候補を同定することで、感染後期の Rab10 制御の仕組みを解明することを計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
関与する宿主因子として候補に取り上げた Rab10 に対するレジオネラエフェクターの作用が顕著に確認され、酵素活性の仕組みが根源的に異なる2つのユビキチンリガーゼファミリーが協調的にこのタンパク質に対して作用するという予想外の結果が得られた。この結果は本研究課題の今後の大きな進展を強く期待させるものとなった。
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今後の研究の推進方策 |
Rab10 のレジオネラ液胞へのリクルートメントにレジオネラユビキチンリガーゼ群がどのように関与するかを細胞生物学的手法を中心として解析する。またSdcB に作用する上流のレジオネラエフェクターを同定し、その酵素活性を生化学的に明らかにすることで、多重的な制御による膜輸送系操作の分子機構を明らかにすることを目指す。
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