研究課題/領域番号 |
22H03028
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
平木 隆夫 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (50423322)
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研究分担者 |
馬越 紀行 岡山大学, 大学病院, 助教 (10780885)
櫻井 淳 岡山大学, 大学病院, 教授 (30444657)
松宮 潔 岡山理科大学, 工学部, 講師 (40396792)
松野 隆幸 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (50377842)
松井 裕輔 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (50614351)
亀川 哲志 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 准教授 (80432623)
松浦 龍太郎 岡山大学, 保健学域, 助教 (80772392)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | IVR / ロボット / 被曝 / 骨 / 針穿刺 / 骨穿刺 / 自動穿刺 / アルゴリズム / 被爆 |
研究開始時の研究の概要 |
医師が放射線画像診断装置を用いながら、経皮的に骨に針を穿刺して行う検査や治療には医師の被曝、骨への針の穿刺の困難さ、骨の表面で針先が滑った場合など周囲の構造物を損傷するリスクといった課題がある。これらの課題は、遠隔操作型の骨穿刺ロボットの開発で解決可能である。我々は画像ガイド下に針を穿刺する遠隔操作型ロボット(Zerobot)を開発し、医師主導治験を実施中である。Zerobotの現状の性能では骨を穿刺することはできないが、本研究においてZerobotを基盤としながら、骨を穿刺可能なアームを新たに開発するとともに、力センシングに基づく骨穿刺アルゴリズムを構築する。最終年度には臨床試験を実施する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的である「ロボットを用いた画像ガイド下骨穿刺における力センシングに基づく骨の自動穿刺アルゴリズム」を構築するために、おかやまメディカルイノベーションセンターにて生体ブタを用いた動物実験にて行った。既存の針穿刺ロボット(Zerobot)に骨穿刺用アームを取り付けて、さらにアーム先端に骨生検針を取り付けて、ブタの腸骨、脊椎、大腿骨に対してCTガイド下には穿刺試験を繰り返した。穿刺試験においては、規定の穿刺速度および針の軸周り回転速度で、また3種類の力制御アルゴリズムを用いて穿刺を行った。力制御アルゴリズムとは、ロボットアーム先端に取り付けた力センサの値が規定の値に達すると、ロボット制御機構が働き、針先にかかる力および穿刺速度を調整するものである。穿刺中のCT画像にて骨内へ針先を刺入できるかどうか、また事前に設定した標的に精確に穿刺できるかどうかを確認した。 同一骨であれば、力制御の値を大きく設定するほど、穿刺に要する時間は短くなった。また、同一の力制御アルゴリズムであれば、腸骨、脊椎、大腿骨の順で穿刺時間は短かった。この結果は主に骨の硬さを反映しているものと考えられ、硬い骨ほど力制御が早く作動し、穿刺に時間を要するものと思われた。さらに大腿骨は非常に硬く、力制御を低い値に設定すると穿刺を完遂することはできないことがあり、高い値に設定する必要があることが分かった。ただ、力制御の値があまりに高いと、穿刺はできるものの、針先が標的からずれる現象が生じ、精確な穿刺は困難であった。腸骨や脊椎においては、力制御の値により穿刺に要する時間に差はあったが、いずれのアルゴリズムにおいても精確な穿刺が可能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ予定通りに進捗しているため
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今後の研究の推進方策 |
今後も最適な自動穿刺アルゴリズムを構築するために生体ブタの骨に対する穿刺試験を繰り返す。最適な自動穿刺アルゴリズムとは、短い穿刺時間で針先を骨内に刺入し、さらに標的にズレなく精確に穿刺できるアルゴリズムである。さまざまな穿刺条件で穿刺を繰り返すが、2022年度の研究結果から最適なアルゴリズムは穿刺する骨の種類に応じて個別に設定する必要があることも念頭におく。特に大腿骨では2022年度の実験結果から力制御は低いと穿刺ができず、高いとズレが生じることが判明しており、針の軸周りの回転も含めた制御が必要かもあることも念頭に置き、針の軸周りの回転速度もさまざまな条件下で穿刺試験を行う。 リスクマネジメントをJIS T 14971:2012に準拠して行う。まずリスクマネジメント計画を立て、ロボットの特質の明確化を行う。その後リスクマネジメント分析シートの作成を行う。考え得る全てのハザードを特定し、それにより発生するリスクを危害の重篤度と頻度に基づき評価する。その後、リスク低減措置を講じて可能な限りリスクを低減する。 最終年度(2024年度)に製造予定の臨床用の骨穿刺アームに関して仕様作成およびコンセプト設計を行う。
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